焼き絵の焼き目は素材で変化
焼き絵についての記事、その3です。
その1「道具編」→
焦げ目に焦がれる焼き絵の焼き目いろいろ - 緋呂の異界絵師通信
その2「基本の丸ペンの焼き目」→
焼き絵とは-焼いて燃やして燻るに萌える技法 - 緋呂の異界絵師通信
その3「基本の平ペンの焼き目」→
焼き絵のグラデーションは味がある~平ペン - 緋呂の異界絵師通信
そして、今回は素材によって違いが出る…というお話。
前回載せたのは、トチの天然板でした。
私が使ってみた感じでは、あまりクセのない、扱いやすい板だったように思います。
もちろん、大きな節もなく、木目も整ってキレイな板だったというのは、あるかと思います。
シナや桐ほど柔らかくないので、うっかり焼きすぎて穴が開いた…みたいなことも少ないように感じました。
一方、扱いがなかなか難しかったな…と感じているのが、ヒノキです。
ヒノキは焼いている時の香りが良いですが、木目が固いので、細密な絵を焼こうと思うとなかなか慣れが必要かも。
下の画像は、ヒノキの輪切りに焼いているところです。
この年輪がなかなかにクセモノで、ここでペンがカツン、カツンと引っかかって、長いストロークとか骨が折れました。
また、年輪の上に焼き色がついてないの、わかります?
濃く塗りつぶしているところは、年輪も潰すように塗っているので焼けてますが、グラデーションかけてるところなどは、年輪の線は色抜けしてます。
こういうのが、相手が「生きた素材」だなあと思うところですね。
ヒノキの小枝を輪切りにしたキーホルダー用の素材も仕入れたのですが、これがなかなか…。
私は小さいスペースに描くのが苦手なので、その上年輪が細かい上に焼けにくいってことで、まだ、お見せできるモノが作れておりません。
合板には合板のよいところがいっぱい
その3に載せた画像は、二点とも合板に焼いたものです。
天然板のようなキレイな木目はないですが、風合いはあります。
なにより、合板のよいところは
・手軽に入手できる
・サイズやカタチのそろったものが複数手に入る
・大きな節や木目の乱れがない
・安定性が高い
欠点としては
・広範囲を焦がすと貼り合わせの接着が緩んで歪んでくることがある
・品質によっては、焼く時に接着剤の化学物質臭がキツイ
天然板のよいところは
・何と言っても風合いがよい。
・耳付きのものや自然に変形したものなど、面白いものがある
・そんなに高価な板でなくとも、高級感あり
・木の質感や香りが楽しめる
欠点は
・入手先は合板のようにはいかない
・コスト高になりがち
・自分で素材から加工もできなくはないが技術と、なにより時間や保管場所が必要
上の作例は、全体像こちら。
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古いサインがはいってます。
懐かしいね。