セルフマガジンという名の迷宮撃破で開けた視界~これから作るあなたへ
かさこ塾といえば、セルフマガジン。
セルフマガジンといえば、自分の「好き」を人に伝えるための基本ツール。
人に伝えるため…と言えば。
己を知らねば、伝えようにも、できない!
かさこ塾生でなくても、セルフマガジンは有効ツールです。
その効果効能をもっと知ってもらいたい、と思うくらいに、優れた自己発信ツールです。
かさこ塾では「セルフマガジン」と呼んでますが、他の呼び名がついている場合もあるかと思います。
ざっくり言うと、「個人版会社案内」「個人案内」です。
私は絵師の道を歩いてるので、それらしく、「絵師道案内之書」とかって、全部カクカクの漢字ばっかり並べてみました。
漢字が好きなの。
読みにくいかもとは思うけどさ、漢字の見た目が好きなので、ここは譲らぬぞよ。
私は、いろんな先達から、いろんなことを学んできました。
学んでは忘れ、また学んでは忘れ。
いくつものことを複合して、壊してはまた作って。
飽き性なので、次々いろんな画材や素材に手を着けて、ちょこっとやってみては次行って…と、かなり節操なく渡り歩いてきました。
けれど、そういうものは、どこかのタイミングで必ず、思いがけないモノ同士が融合して、活きてくるんです。
経験的に、それはもう間違いないことだと知っているので、やり始めて間もないことを中止して、また次へ行く…という行為に抵抗がありません。
よく、そこで躊躇している人を見かけますけども。
私からしたら、ためらってる間、どっちにも本腰入れられずにグズグズ言ってるくらいなら、さっさと行きたい方へ行けばいいだけの話です。
後からまた必要になれば、取りに戻ればいいんだから。
そんな生き方してきたおかげで、作品の傾向がもう、バラバラ。
とっちらかってる頭や家の中同様、素材も画材も作風も、てんでバラバラ。
よく、「これ、全然違うけど、全部あなたの作品?」と聞かれます。
だからね。
セルフマガジンを作るにあたっては、かなり、試行錯誤したんですよ。
まず、「何を軸に展開するか」が、悩みの種。
作風から追うか?
画材から追うか?
題材から追うか?
すでに三つも選択肢ができてるでしょ。
でもね。
私の「絵師道」は、そういう話とは全然、かけ離れたところに、ポイントがあったんですよ。
自分では気づかなかったポイント。
息するように無意識にやってるから、思いつきもしない。
認識できないから、選択肢の中に上がってもこない。
でも、相手をよく見ている人には、見えるんですよ。
私のセルフマガジン作りは、そういうコトを浮き彫りにしました。
「自分はこういう人間」といった思い込みは、極力、ない方がいい。
同様に、「自分を伝える」という行為にも、「こういうもの」という思い込みは、ない方がいいのです。
ジャンルにも作風にも、まとまりがない。
題材こそ、神とか龍とかの見えない世界に統一されているけれど、表現方法が散らばりすぎ。
無意識レベルから出てくるものを説明する能力に欠けているため、作品を上手く説明することができないし、したくもない。
そもそも、売り物として描いてない…けれどプレゼントすりゃいいやとも思ってない。
ワークショップなどの教える側に回る手段もあるにはあるけど、別にそこ力入れてない。
こんな具合の、仕事というには「やる気あんのか?!」な私の、絵師道。
でも、決して、仕事じゃないとも思っていない。
それを、どうやって、「セルフマガジンという冊子」という品に、落とし込むか。
結果から言うと。
スゴイものになったと、自分でも思っています。
混沌で、いいんです。
ヘンに小綺麗に整理しなくても、いい。
一点一点見ればバラバラでも、それでいい。
集合体として見た時の威力を、正しく伝えることができさえすれば。
賢く説明なんか、できなくてもいいんです。
そんなレベルのところではなく、もっと根源的なところで感じとってもらいたいモノだから。
どうせ説明なんて、全て後付けの理屈でしかないんだから。
そんな「一般的によしとされている在りよう」なんて、自分には関係ない。
そのことが、自分の中に確固とした核となって出来上がったのが、セルフマガジン作りという行程を終えた後に手に入れた、最大の収穫です。
それを引き出してくれたのは、やっぱり、かさこさんの「相手を見る目」だったと思うのです。
きっと、誰でも一度は、制作中に迷宮に迷い込むと思う。
それくらい、この作業は、自分の中に踏み込む作業になるから。
本気で作ろうとすればするほど、できなくなる…そんな性質の作業が続きます。
でも、やりきった後には、やらなかった時とは比べものにならない、大きな成果になります。
その冊子自体の出来具合の優劣に関わらず。
だから、今、迷ってなかなか作れないでいる人には、どうか、くじけずにやりきってほしいと願います。
立派なものを作れ、と言うわけではなくて。
どんな少ないページ数でもいいし、手書きでもいいし、コピー誌でもいいし、別に冊子にまでなってなくてもいいとすら思う。
ただ、「自分の中に何があるのか」を、とにかく掘り下げて掘り返して掘り出して、選別して吟味して、磨いてほしい。
「セルフマガジンという冊子を作る」ことがゴールだとしても。
本当のゴールは、できた冊子よりも、それを作る過程を通り抜けた後でしか見えてこない世界を見ることだから。
そんな、私のセルフマガジン作りの全行程は、こちらの記事にまとめてあります。
長い長い記事ですが。
これを受けて、かさこさんが書いてくれた記事。
この後、同テーマでいくつか書いてますので、それもまとめて貼っておきます。