結論を出すまでの水面下で起きていた動きは、見える世界と見えない世界の両方で
陶器の作品作りを限定する決定をした、という話を前回書いた。
陶器作品について出した、ある結論~「自分の得意なところに集中すべし」 - 緋呂の異界絵師通信
この結論をすんなり出せたのは、自力で施釉したモノが全滅だった痛い仕上がりだけが理由ではない。
ので、後の自分のために、そのことも書いておく。
1.関わる「場」の大切さ
2.龍印画がもたらした「ろうそくの芯」
3.資源には限りがあり、現状すでにその割り振れるキャパは十分以上
という3つ。
1.関わる「場」の大切さ
自分がその場に出入りをすることが、嬉しいのかどうなのか。
ひっかかりやユウウツさがあるとしたら。
やりたいことと天秤にかけた時、それらマイナス要因の占める割合がどれくらいなのかは、重要だ。
足が向きにくい場、というのは、やはり、それだけ自分の気力にとってマイナスになる。
ましてや、気力を高めて臨みたい創作の場である。
他のことに神経を使いたくないし、気力を奪われたくもない。
そのことが、「いつでもいい状態の時に焼けるように、窯が欲しい」という欲求にも繋がっていた。
今の自分にとって、気力が萎える場というのは、もうそれだけでNGだ。
それをどうにか乗り越えてでも実験したい…という段階は、もう、過ぎた。
もちろん、将来的にはやりたいこと、というリストには入れておくけれど。
2.龍印画がもたらした「ろうそくの芯」
今までずっと、いろいろ描いてきて。
当面は龍を中心に据えていこう…と決めた。
しかし。
それでも、私の中には依然として
「これを買うことが、あなたにとってよい選択です」
と言い切れない部分があった。
それは単に私自身の「自己価値感」の問題だったのかも知れないのだけど。
龍印画という「作法」が明確に存在しているものを描き始めたことで、私自身の創作動機にも「芯が通った」ように思う。
今まで自分が試行錯誤を続けて、それなりに磨いてきた技能というものが「蝋」であり、「印の作法」が、芯。
連綿と続いてきた秘伝をきちんと伝えてきてくださった先人に連なり、同時に自分自身のオリジナル性で固めることができる手法。
これは、大きい。
これによって、「あなたにとって良い選択です」と、言い切れるメンタルを実感できた。
同時に、私が今まで自ら「自分は画家ではない」と言い続けてきたことが、ハッキリと姿を現してきた。
絵は、手段なのだ。
ツールだ。
今までもそれはわかっていたのだけど。
「一人だけのための神具を作る職人となる」
という信念が、いささか宙ぶらりんで座りがよくない感じがずっと続いていた。
それが、ちゃんと着地した感じ。
ややアヤシイ話になると。
定着させた内なる龍と、繋ぎをもらった鬼たちがいい動きをしてくれた。
2月に卵から孵化した白い子が最近になって形態を変えたのも、たぶん、ここに繋がっている。
見えない世界からの助けも、大いに感じているこの流れ。
まあ、ここらへんはまた改めて。
3.資源には限りがあり、現状すでにその割り振れるキャパは十分以上
それぞれのカードで、役はもうできている。
ただ、その切り方の修練をしないまま、役だけが増えていた。
今までは、どうもそういう傾向だった。
なにせ飽き性なので。
けれど、今回の「焼けた陶器が全滅」を目の当たりにした時に、「この役は捨ててもいい」と真っ先に思った。
その時、ようやく、持っているカードで作れる役は、自分が采配できる数以上になっている…ということも、実感できた。
一つ減らすことによって、気持ちは一つ分以上に、楽になった。
ムダになる恐れのある資源の使い方にもストップをかけられたし。
陶土での造形品は今後も作り続ける。
けれど、早くカタチに…と焦る必要はないのだ。
(それができないうちに寿命がくれば、まあそれはそれ…と思えるのでOK)
手は二本、身体は一つ。
それしか、ないのだから。
当面は、今できあがった役の切れ味を磨くことに専念しようと思う。
見えない世界との関わりも、より密接になっていく……だろうし。
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