旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

人の役に立ちたいなら、まず自立することが先 その単純な理由

人が好きで、特に好きな人の役に立つことを願っている。

そういう人は、きっと、たくさんいると思う。

 

でも。

忘れてはいけないことが、ある。

 

誰かの役に立つには、自分自身がしっかり、自分の足で立っていることが必要だ、ってこと。

 

 

それができてないと、どうなるか。

 

役に立ちたいと願って、何か手伝いたいと願って。

その役割を相手に乞う。

結果として、その行為は、相手の負担になってしまう。

 

なぜって、理由はしごく、シンプルだ。

 

その相手が、「自分で立っていないあなた」の杖まで兼ねなくてはならなくなるからだ。

 

だから、「人を使っての自己実現はNG」なのだ。

 

 

自分で立っていない人は、無意識に何かに寄りかかっている。

そうでないとバランスがとれない。

「あの人の役に立ちたい」と願った時、自立できていない人は、相手に対して指示を求めることになる。

もちろん、相手の意向を聞くというのは必要なことだ。

ただし、自立できていない人のやりがちなことは、「意向の確認」ではなく、「全権委任」。

そして、往々にして「でも私の感情はちゃんと汲み取ってください」がもれなくセットされている。

 

役に立ちたい感情とは、だいたいの場合、その人に気に入ってもらいたい感情だ。

 

少々のことなら受け入れられても、それを始終やられると、相手は疲れてしまう。

 

そして、結局「自分でやる方が早いから、もういいよ」ということになる。

 

自立できている人は、相手が何をしてほしいのか、まず自分で大まかに見当を付けてプランを立ててくる。

その上で、「AかBなら、どっちがいい?どっちも嫌なら、どうしてほしい?」みたいな聞き方をしてくる。

何もないところから指示を待つのではなく、選択肢として相手に差し出してくる。

そうすると、聞かれた方は端的に答えるだけですむので、他にやりたいことに集中できるわけだ。

 

これは、ちょっとした違いに思えても、度重なると響いてくるのだ。

 

そして、自立している人は、自分の協力できる範囲も提示してくる。

うっかり過度な助けを求めてしまうことも少ないし、そうなった時はそのラインを再確認しあえば事足りる。

 

これが、自立していない人だとどうなるか。

 

自分のキャパシティを把握できていないので、後になって無理、できないとなる。

または、ものすごく無理をしてしまう。

すると、結局、続かない。

出してもらいたかった結果も、本来の水準以下になってしまう場合が多い。

 

では、その差分は、誰の負担になるか。

当然、手伝ってもらっていたはずの人だ。

 

 

だから、自分が何をしたらいいかわからない人は、人の手伝いをすることで自分を満たそうとしてはいけない。

その前にまず、自分が何をしたいのか、どれくらいできるのかを客観視できるようになることだ。

 

たいそうなことでなくてもいい。

テキスト入力できるなら、10分で何文字くらい入力できるかを把握しておくとか。

打ち合わせやランチの会場手配ならできる、とか。

名簿は作れる、とか。

なんでもいいので、自分のカードをはっきりさせておくこと。

手伝いをしてもらう側は、それを見て、頼めるかどうか判断できる。

 

自立というのは、何でも自分でできます、という意味ではない。

自分のできることを自分で把握している、ということ。

相手にその判断をさせないこと。

 

そして、スキル把握云々よりももっと、大事なことがある。 

 

自分の感情は自分で始末すること。

不安の処理を相手に求めないこと。

 

これが一番大事。

 

 

スキルの把握もよくわからない、感情にも責任持てないかも知れない。

そんなあなたは、じゃあ、人の役に立つことはできないのか?

 

そんなことはない。

安心してほしい。

 

そんなあなたに最適な「手伝う方法」は、ずばり。

その相手のお客さんになることだ。

常連になってあげました、という風を吹かせるのは厳禁。

淡々と、知らない人たちと同じ立場のお客になること。

または、黙って資金援助をすること。

額は多くなくてもいいが、黙ってやること。

そして、役に立ちたい相手のことを人に知らせること。

今で言うなら、ブログやSNSでシェアする。

 

 

「そんな役に立ち方ではなく、もっと、一緒に作り上げていく的なことがいい」

なーんて、ちらっとでもよぎったあなた。

あなたは、役に立ちたいのではない。

あなたの本当の願いは、「その人に認めてもらいたい」だ。

自分を認識してもらいたい、あわよくば、かわいがられたり重宝されたい。

ってこと。

それが、「人を使って自己実現すること」そのものだ。

まずは、自分のその欲求をちゃんと知り、そういう自分を受け入れることが先決。

誰かにその穴を埋めさせてはいけない。

 

アピールせずに、淡々と援助する。

それができるようになった時に、その意味がわかるはず。

 

役に立つってのは、一筋縄ではいかないものなのだよ。

 

 

 

 

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琵琶湖 長浜~竹生島連絡船からの景色

 

 

 

 

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