【伝言】脳と感情 人の脳は快と不快の二種類でしか動かない
「価値」とはなんだ?
お主らは、「価値」という曖昧な言葉を、その曖昧さをすり合わせることもなく、あらゆるものを測る物差しとして使う。
しかし、お主の思う「価値」が他者に通じぬことなど、今までいくらでも経験してきたであろう。
その物差しの無意味さについて、もっとよく考えてみよ。
貨幣価値と存在価値はまるで異なるもの。
本来、それを置き換えることはできない。
しかし、人は社会を円滑に動かすために、その変換方法を創り出した。
その最も有効なものが「人の役に立つ」という行動である。
己の言動に価値を与えるには?
人の役に立つことだ。
人の役に立つとは、どのようなことか?
人が喜ぶことだ。
時には、怒りや悲しみといった感情も、喜びにつながる重要な要素である。
人は感情によって動く。
自分だけは思考で動く、と主張する者もいるだろう。
かつてのお主のようにだ。
それは愚かな思い込みにすぎぬ。
どのような人も、行動に至る直接的な理由は「一瞬で通り過ぎたかも知れぬ感情」である。
人の脳は、快と不快の二種類でしか、行動を引き起こさぬようにできている。
賢いつもりで理屈をひねっていても、究極的には、その反応によってしか動いておらぬ。
それを、本当に、よくよく、見るのだ。
そこからしか、はじめることはできぬ。
人の世界は変わろうとしている。
ルールが変わっても、人の感じる快と不快は、大して原始から変わってはおらぬ。