人は誰でも誰かの影響を受けている。それは正しいが、だからってパクってもいいという意味ではない
人のアイデアを寸借することが全く気にならない、という人がいて。
その人が、この世にはもう完全にオリジナルなものなんてないんだよ、という理屈を言った。
100%独創的なんてものは、この世には今もうすでにない。
それは私の持論でもある。
しかし。
もともと、他人のデザインやアイデアを勝手にもらってきて、
「似たのを作ればいいんだから、わざわざ高い作家ものを買う必要なんてない」
と、買おうとしている人を引き留めにすらかかるという人の口からそれを聞くと、どうにもムカつく。
人はみんな、誰かの影響を必ず受けている。
だから、完全に自分だけの発想なんて、ない。
その通り。
私もそう思っている。
しかし!
それは、「だから遠慮無くパクってもいい」という意味では断じてない。
それを説明しても理解しないことは、すでに何度も試してわかっていた。
けれど、
「いや、限度ってものがありますから」
と、抵抗はしておいた。
私が自分のデザインで型を作ったとしても。
そういうことを平気で言う人がいる所には、それを預けておきたくない。
勝手に使われる可能性は低いとしても。
勝手に真似た型を作られる可能性はある。
いい人だ、ということと。
創作上の信頼感に関しての大いなる問題点。
残念ながら、それは両立してしまう。
「いい人だ」ということは、その人のすべてを肯定できるという意味ではない。