あれもこれも手を出して、でもどれもハンパでダメなんです…というあなたへ
そんなのカンケーねえ!
と、断言します。
あれこれ手を出してはやめ、その繰り返しで何も身についてない、ダメなヤツめ!
って、誰かに言われましたか?
誰が言いましたか?
親? 教師? 友達? それとも、自分?
いやいやいや。
ダメじゃ、ありませんよ。
あれもこれも、手を出してみたいなと思ったけど、どれも思ってるだけでやってみもしなかった。
そっちの方が、ずっと、情けない。
私、今までホントに、いろんなことやってきました。
手仕事系は、だいたい手を出してきた。
特殊な機材や設備が必要なこと以外なら。
そして、どれも、ちょっとやってみると気が済んで、大して熟練してないし身についてもいないうちに、飽きてやめてきた。
何も続かない、と、思ってたこともあります。
しかし!
今になって、その過去が、活きてきてます。
作品をブラッシュアップするためのアイデアをもらった時。
「こういう素材入れてみたら?」
という提案を受けることがあります。
それも、かなり、突飛に思えるくらいの異素材。
たとえば、陶芸を「この道20年、これ一筋」とかでやってきた人なら、まず、そんなもの組み合わせようなんて思わないだろうね、という異素材。
それを、二種類ではなく、それ以上の掛け合わせを要求される。
そんなことが、私には、よく起こる。
もちろん、そうそうカンタンにはいかないので、そこから試行錯誤が長く続くわけです。
今、まさに、その途上だったりもします。
出てくる素材は、ほとんど、一度は触れたことがある。
おかげで、言われたことがハッキリ、イメージできるのです。
使ってみたことがあるから、どういうところが活かせて、どういうところは問題になるかも、わかる。
「は?それ何ですか?」
というところから話を始めなきゃならないかも知れないけど、そのステップは過去に終えているから、話が早い。
一つ一つはハンパかも知れないけど。
掛け合わせて、積み重ねれば、他にないものを編み出す可能性がある。
それは、一本道を真っ直ぐ…な人が手に入れられなかった多様性です。
財産なんだよ。
あれこれと、やり散らかしてきた、その「ハンパでダメ」な過去は、財産。
そしてね。
やってきた「どれもハンパ」ないろんなコト。
よーーーーーく、注意して吟味してみると。
どこかに、必ず、共通しているところがあるものです。
その要素を、注意深く見つけることです。
見つかったら、それを一本の糸にして、ビーズをつなぐように、連結してみましょう。
必ず、共通項目があります。
それが、あなたの「やりたいこと」の糸口です。
自分をサンプルに出すのが一番手っ取り早いので、また私の話になりますが。
今までいろいろ作る系のことに手を出してきて、たくさんの手法や素材を使ってきたけれど。
常に、最終的に、それらの素材で作ろうとし始めるモノが、あるのです。
それは、「灯り」。
今、「あかり玉」っていう、そのものズバリなものを作ってますが。
そもそもが、私は、何をやっても最後には照明を作ろうとし始めているのです。
切り絵、やりました。
行灯作りました。
刺繍も好きでした。
シェード作ろうと思って、肩こりに負けました。
ビーズ細工にハマリました。
ランプシェードを作ろうとして、飽きました。
ワイヤーアートにも凝りました。
電球をワイヤーで編み込もうとして、うまくいかなくて放置してます。
ここまでは、だいたい、「大きなものを作ろうとしすぎ」たのが敗因。
手のひらに載るくらいのカワイイのを作ろうとしてたら、どうにか作ってから飽きたって言う程度にはやれたと思います。
いかんせん、どうしても大きいもの作りたくなる性分で。
結局は作りきれずに飽きるという。
墨絵、好きです。
障子紙に描いて透過光で浮かび上がる…というのを、今も実験中です。
陶芸も、10年くらい前に始めて工房に通うことになってすぐ、失敗しました。
さすがに技術が足らなすぎたね、これは今取り組んでいるから、よくわかる。
焼き絵、和紙を焼いてシェード作りました。
平面の絵ですらも、結局は「光を描く」を、やっている。
以前、先輩画家さんに、「あなたは、描かないことで光を描く人だね」なんてことも、言われました。
だから、ひょうたんという素材を得て、今までやってきた他の素材が全部、そこに連結してきたことも、全く不思議ではなく、むしろ当然に思える。
どれもこれも、「その素材/手法一点だけでは話にならないレベル」だけど。
掛け合わせることで、全然別のモノを作ることが可能になる。
人から「何やってもハンパ」って言われてきた今までの足跡も、きっと、何か一本の糸で繋げることができるはずです。
糸は、意図。
あなたが、何をどう実現していきたいか…という、意図を。
過去の足跡を糸でつなぐことで、見えてくるはず。
たくさん手を出してきた、それを「ハンパでダメ」なままにしておくのか。
資源として組み立て直せるか。
そこは、あなた次第。
でも、決して、ダメでも無駄でも、ないですよ。
活かしましょう。
それが、「必要なものはすでに、自分の中にある」ということです。
こちら、昔作った切り絵。
サイズはB4。
伊勢型紙の柿渋紙使用。
切り絵は大好きだったけど、今はもう、カッターの刃先が見えにくくて……(^_^;)
でも楽しいんだよね~。