緋呂の異界絵師通信

ミエナイセカイ ハ カサナッテル

渦には常に中心がある。信じる信じないという問題ではない。だから愚直にそこへ向かうのだ

あることがきっかけで、スピ業界に入り込んじゃった頃のことを思い出していた。

 

私が初めて、自分のために万単位のお金を払って受けることを選んだのは、心理学系の講座だった。

当時は正社員で働いていたので、毎月決まった額は入ってくる状態。

とはいえ息子達が高校受験の時期であり、私学を選ばざるを得ない状況も考えられたため、無駄遣いはできなかった。

 

自分のために十万を超える講座に行く気になったのは、当時すでにWeb制作の最前線を行くには学習能力に限界を感じていて、だったらここで残るためには、ヒアリング力とコミュニケーションスキルをつけて、ライティング能力を高める以外にない、と考えたからだった。

当時私は分業制のWeb制作会社で、サイト設計、ラフ作成、ヒアリング、ライティングを担当していた。

 

コミュニケーションスキルを上げる講座、と狙って様々調べ。

比較的近い時期に体験講座を催すという二つの講座を発見した。

体験講座に行き、二つ目の体験はもう行くのをやめた。

 

体験講座を受けた当日に、本講座に申し込んだ。

 

十万を超える講座は、人生初。

正直、それまでの価値観からしたら高いなと感じた。

でも、必要だと判断したので、半年間通った。

 

それを始まりに、様々な講座やセミナーに行くことになる。

一度その経験をすると、次からはハードルが急激に下がる。

 

初めてのその講座での半年間で、私は自分が絵の世界に、どんな末席でもいいからやっぱり棲んでいたいのだと発掘することになった。

同時に、そもそも講座に通うことにした動機だった、制作業界に残り続ける、ということに意味を見いだせなくなった。

コミュニケーションスキルをさらに上げるということにはますます興味がわいていて。

対話で仕事をする人たちの存在も知ったため、そういう領域に棲むことも考えた。

 

そこから、模索が始まった。

 

絵の世界の末席に棲む手段を「インストラクター」という存在で可能にできないかと考えてみた。

資格を取った。

すると、その資格取得の課程で、自分がそのメソッドなり描画手法なりを人に教えるということは困難だと、わかってしまった。

ほぼ同時に、いろいろな「話せば長い」話が起きて、気がつけばスピ業界...それも天使。

 

驚くほど、未知の領域だった。

そもそもこの世界に、一回の占いに何万円も支払う人が存在するとかも、驚きだったし。

見えない商品を扱う人がこんなにあふれていることも、驚きだった。

 

私の大好物は、未知の領域。

そこには、混沌として五里霧中な樹海のごとき未開地が広がっていた。

 

どっちを向いても、講座、セミナー、ワークショップ。

こんなにも多くの、こうした「学び場」があったのか。

で?

なに?この金額。

 

正体のわからないことを教えている、この人たちは、なに?

 

これは、学びなのか?

それとも、巧妙に仕掛けられた見世物小屋なのか?

 

いや、リアル「注文の多い料理店」なんじゃないのか?

自分が客だと思って入っていったら、提供される料理になる側だった...という、アレ。

 

 

今まで、けっこうな金額を払ってきたと思う。

総額計算はしてないが。

 

 

世の中には、安かろう悪かろう、という考え方があって。

本物は高い、という観念があって。

実際の価値を証明することなど、誰にもできないことであって。

 

そんな中で。

一回に数万~数十万...ことによると7桁をとる人たち。

 

どこまでが投資で、どこからがカモ?

 

どこまでは高品質で、どこからが偽物?

 

成分分析もできない、この商品たちよ。

 

自分がいいと思えば、それは「いいもの」であり。

そうでなければ「よくないもの」だ。

合うか合わないか...というのは、結局は好きか嫌いかという話ではないのか。

好きなら本物で、嫌いだと偽物と呼ぶだけでは?

 

 

実にいろいろなところに首を突っ込み。

いろいろな人のセッションを受けた。

 

自分の「違和感」というセンサーがかなり優れものであるらしい、というのは、比較的早期に気がついた。

 

 

 

はっきり、言う。

 

高いからよい、安いからダメ。

そんなことは、ない。

 

そして同時に、

その価格には、理由がある。

 

 

私が棲み着くことを決めた絵の世界。

そこも、価値とは何か、ということで度々迷うことになる世界だった。

 

食べられるわけではないし、着られるわけでもないし、寝起きできるわけでもない。

つまり、必要である衣食住には全く関係のない、それらが足りていてさらに余裕がある人にしか縁の無い世界でもある。

また、その価値が流動的であるが故、投資の対象ともなる世界。

 

 

私は、「見えない世界」と「絵」という、恐ろしいまでに変転し、共通の物差しの存在しない主観の世界の、交わるところ...という、ピンポイントな混沌の世界を、自分の住処にしてしまった。

 

常に、闘うのは己の「自己価値」で。

「安く提供することは自分の死」に直結する世界で。

それでいて「バカみたいな値段で売る人も多い」世界。

 

 

その中に、これからも棲み続ける。

ごく一部の人だけに伝わればいい価値...ではある。

 

ただし。

その「ごく一部」に伝わるためには、巨大な分母が必要になるのだ。

 

 

高額セミナーには、必ず、フロント商品がある。

数千円程度の安価な、しかし質はよいセミナーなり、お試しセッションなりがある。

そして、それをもとにクロージングをかける。

バックエンド商材は、数十万から、数百万にまで及ぶ。

スピリチュアルだけでなく、心理学の世界でも、また、起業したい人や、楽に稼ぎたい人に向けたノウハウというものも、そんな構造下で売られている。

私もユーザーだ。

 

その金額に見合った講座なのかどうか...というのも。

誰が決めるのかな、と思う。

高いものへの警鐘はよく見聞きする。

催眠商法だとか、マルチ商法に極めて近いとか、カルトまがいであるとか。

内容なんかペラッペラなのに...とか。

 

スピリチュアルの世界になると、更に恐るべき「遠隔」というキーワードがある。

昨今ではオンラインセミナーなども増えているので、そういう場合も「遠隔」という言葉は使われているけれど、それとも違う。

オンラインセミナーのように、お互いが時間を合わせて回線で繋がれ、同時に行うというものではなく。

施術者は「あらかじめ、セッティングをしておく」

そして、顧客は「設定された手順を、自分で行う」のだ。

時には、遠隔ではあるが時間をリアルタイムで行うものもある。

私も、実際に、ヒーリングは遠隔でしかやっていない。

そういったシステムで、一回に10万円を超すようなものもある。

 

エネルギーを送る、受け取る。

効果や使い方が書かれたマニュアルが配布されるものもあるが、それもない、というものも少なくない。

 

本当に、世の中は、多様な価値観であふれている。

10円を節約するために何キロも離れたスーパーに車で行き、しかもハシゴする。

ガソリン代の方がきっと高い。

それでも、それが好きな人は、いつでもそうする。

半額だからと何十分も列に並ぶ。

それが結局差額100円程度の話でも。

見えない商品を会いも話もせずに受け取るために、数十万払う。

一つで満足せず、似たようなものを次々、買う。

稼げると思って、百万単位の教材を買う。

起業するために、ノウハウを買う。

でも100円のドーナツをもらうために2時間並ぶこともする。

 

そんな、価値観のごった煮が、今のこの世界なのだ。

 

仕掛ける側の人と、仕掛けられる側の人は、ほとんどの場合、混ざることはない。

 

混ざれると思うのは、仕掛けられる側で。

仕掛ける側は、もうすでにそのパイを自分が食べる必要がなくなっているから提供する。

仕掛ける側は、もう次の仕掛けにかかった獲物を回収にかかっている。

だから、もはや使い古して見入りも薄くなった仕掛けを売って更に稼ぐ。

それが、摂理だ。

 

 

 

愚直であれ。

そう教えている「仕掛ける側になった」人がいる。

 

というか。

多くの仕掛ける側の人は、そう言う。

 

そして、穿つ人はこぞって「それが儲けるヤツの常套句だ。そう言って、愚かな連中にモノを考えることをさせないためだ」と言う。

 

確かに。

そういう人もいるだろう。

というか、もしかしたら、そういう人の方が多いのかも知れない。

 

だけど。

違うと思う。

 

浅いところまでしか考えないならば、その通りかも知れない。

世界の富は人口の1%が掌握している、というくらいで。

一極集中している。

そんなことになるのは、儲ける連中がその仕組みを独占し、他の人に秘匿しているからに違いない...と。

 

でも。

それって。

そういう風に考えている方が、楽だから...じゃないのか?

秘匿している奴らが悪いのであって、自分は被害者なんだ...と思っていれば。

楽だから。

自分が無能だからだと、努力してないからだと、考えてないからだと。

思わずにすむ。

 

そんな風に、歪んだ安穏さは、やっぱり、イヤだな。

 

 

 

 

渦には常に中心があるものだ。

それは真理であり、信じる信じないという問題ではない。

だから愚直にそこへ向かうのだ。

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