何かを成し遂げ得る「粘り強さ」と、しつこく不愉快を誘う「粘着質」は、同じ一つの性質なのだ
長期間にわたって何かを継続できることを、「根気がある」と言う。
概ね、評価される性質である。
逆境に立っても諦めず、事態を好転させるチャンスをつかみ取ってモノにする。
そんな人を「粘り強い」とも言う。
これも、評価される性質である。
それが、一転。
悪い方に作用した(と、受け手が感じた)時は、批判対象になる。
同じ性質の、作用の仕方が違うだけなのに。
「粘り強い」のは、粘着質だから…でしょ。
だから、根気強くやり通すことができるのであってさ。
だから、逆境を跳ね返せるのであって。
だから、何らかの立場を獲得できているのであって。
その性質を美点とするか、欠点とするか…なんて。
状況によって、いかようにも変わってしまう。
見る側の主観によっても、変わってしまう。
多感で繊細な表現をもたらす美点となる、「ある種のやさしさ」も。
欠点となる面が強く出れば、感情の暴走に振り回されやすく、ちょっとしたことでも激烈に反応してしまい、結局自分が傷ついて損する。
どんな良い性質も、時には裏目に出る。
そういうことは、常に頭に置いておくのが、自分がストレスまみれにならない方法として有効だと思っている。