旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

沈黙は金 を都合よく持ち出しているんじゃないのかな?

言葉なんて、常に、真実には足りないのだ。

事実にも、足りないのだ。

 

全て、ということも、あり得ないのだ。

 

どれほど饒舌で達者な弁の立つ人間であっても、だ。

 

 

自分の考えを全て、完全に、全く曲げることなく言葉にできる。

そんな人間は、きっと、存在しない。

できると思っている人はたくさんいるだろうけれど。

 

もちろん、私の狭い世界と少ない経験からしか判断できないから。

実は、できる人は多いのかも知れない。

 

測る手段がない以上、結局は憶測にすぎないのだが。

 

 

 

でも、だからこそ。

言葉を送り出すことをやり続けるのだ。

 

やっても不十分なのに。

やらなかったら、不十分のままだ。

 

全て伝わるなんてヒトカケラも考えてはいない。

そして、全てを伝えられているとも。

人が、全て語っているとも。

全くもって、考えていない。

 

だから?

言わないのか?

言えないのか?

 

私にだって、言わないことも、言えないことも、腐るほどある。

 

だから?

それがどうした。

 

そんなのは、語らない理由にはならない。

 

 

人間て、自分の都合を訴えたい時には饒舌になる。

聞かれてないことまで、勝手にしゃべる。

文章も書く。

しかし、そういう時に「真実を語る」ことは、まず、ない。

 

むしろ、そういう時は、語られてないことに真実が含まれている。

 

 

我が国には、「沈黙は金」という、含蓄のある言葉が存在する。

そしてそれは真実であると、私も思っているし、信じている。

 

 

素晴らしき沈黙。

 

忌まわしき、沈黙。

 

 

沈黙によって語ることができるほど、できた人間だったらいいね。

 

伝える下手さを、伝える痛みを、伝える苦渋を、その負荷を。

そこに直面できない時に、都合よく、沈黙は金...を持ち出しているんじゃないって、言い切れるかな?

 

 

 

 

自然は、言葉などなくとも饒舌だ。

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一旦受け入れ、そこからまた出発すればいいのに

あの人は、とても頭がいい。

優秀だ。

 

けれど、人は、それだけではついて行けない。

 

情が通じにくい?

それは、ある。

 

でも、もっと大きな原因が他にある。

 

 

あの人は、結局のところ

「自分自身の穴を埋めたい」

というのが一番大きな行動理由で。

そのために、人を周囲に置く必要がある。

自分自身ではその穴は埋められないから。

自分よりも「下」の位置の人たちが近くにいないと、自分で穴と直面しなきゃならないから。

 

穴を埋めたいってのは、人間の脳の構造上優先される欲求だ。

だから、別に特異な話じゃない。

 

ただ、あの人は自分が優秀だと知っているので。

そういう普通の欲求に己が順々としていることは、認めない。

 

だから余計に、欲求は強力になる。

 

一種の自己中毒にまで至る。

 

 

自分は特別でも特異でもなく、少しばかり少数派のポジションにいるだけ。

 

そう、受け入れることができれば。

きっと、もっと様々なことが安定していくだろう。

その後で再度旅に出ればいいのに。

 

 

まあ、どうでもいいけど。

 

 

レジンアートらむねさんのアートブックをご紹介

手元に届いていたのは、もうずいぶん前。

やっと、この記事が書けます。

 

 

レジンアートらむねさんの、とっても可愛いアートブック。

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B5版と大きめなので、写真がすごく、見応えあります。

写真も、カメラマンさんの手になるもの。

こだわりが感じられます。

 

表紙の上に載せてあるのは、「おまけ」。

すごい可愛いチャーム。

 

 

レジンっていうとね。

ここ数年、イメージするのは、封入物をいろいろ工夫している感じの作品です。

アクセサリーも雑貨も、そういうのが多い。

スピリチュアル系界隈では、オルゴナイトというエネルギー変換のためのアイテムなんかもありますが、それも、封入物がメイン。

(いやまあ、オルゴナイトについてはいろいろあるんだけど、ここではそういうことにしておきます)

 

すごいキレイなものが多くて、見てるとわくわく感がありますね。

私もレジンはパーツ作りのために扱うようになったのだけど。

私の作るものって総じてキラキラ感や透明感と縁遠いので、すごく新鮮です。

 

が。

らむねさんの作品は、他のレジン作家さん達のとは、ちょっと違う。

彼女の作品は、「ハンドメイド」というイメージよりも、「ファクトリー」っていう感じに私は感じてます。

手芸から生まれてきたものではなくて。

たとえば、アイアン作家さんとか、フィギュア作家さんとかに近い感じ。

作る工程そのものはフィギュア作家さんととても近いと思うんだけれど。

精神は、アイアン作家さん...そんなイメージなんですよ。

なぜアイアンなのか自分でもよくわからないけど、なんかそれが一番フィットしちゃったので、そのまま書いてます。

原型を作ってそこから抜いていく、という工程を思えば陶器に似ているとイメージしてもよさそうなんだけど。

なぜだろう、陶器ではなくアイアンが先に来た。

「アイアン作家」って言ってもピンとこないかも知れませんが、適切な例をどうも思いつけない...ごめんね。

ひとまず、鉄を曲げたり溶接したりして、ハンガーフックとかドアベルとかカゴとか作っている的なことを思い浮かべてもらえればと。

 

たぶん。

その素材をどう活かすか、どういうフォルムを追求したら最も美しく機能的か、そして装飾的か。

そんなことの追求の仕方のイメージなのではないかな。

 

レジンという「流行している素材を使ってる」「ポップでカワイイものを作ってる」ところから、別の素材が大流行したらそっちに流れていっちゃうのかな、って思いがちな雰囲気があるのだけど。

(ごめん、私のイメージなので、そんなことない、っていうレジン作家の皆さん気を悪くされたら申し訳ない)

 

らむねさんの場合は、そもそもレジンを扱っている理由が、(これも私の勝手なイメージだけど)そんなヤワなところから出てない感じなのね。

すごく可愛くてポップなものを作ってらっしゃるのだけど、その根底にある精神は、すごく骨太でピシッと筋が通っている感じ。

今のレジン流行が去ってしまっても、だからという理由で離れたりはしないだろうな、っていう風に思えるし。

二液混合で作るエポキシレジンていう素材がそもそも工業用の材料だっていうイメージが私にはあるから、そのせいもあるかも。

 

 

ご本人にもお会いしたことあるけど。

華奢で、カワイイ方です。

すごくセンスもよくておしゃれ。

そして、やっぱり、「ヤワ」な感じはしない。

 

 

アートブックの感想記事なのに、アートブックの話が出てこんじゃん(笑)

 

とにかくさ。

この、表紙に使われている「お菓子の家」ていう作品。

ちっちゃなパーツまで含めて、全部、一人で原型から作ってらっしゃるわけですよ。

カワイイの、すごく。

女の子らしいっていうか、夢がある。

けど、これだけのパーツを全て原型から作り、型からとって研磨して、組み立てて...という果てしない工程をやりきっている、っていうのを思うと。

やはり、彼女の精神はもう、ふわっとしたハンドメイド作家とかじゃなく、

レジンを扱う職人アーティスト

だな、って思う。

 

彼女自体がアート、というか。

 

 

 

私は、らむねさんは、まだまだこんなものじゃない...今よりももっとカッ飛んだアイデアやセンス、そして技術をひっさげて、そして海外へ出て行くんだ、って思う。

 

そして、すでに次へと動き出していて。

来年は、合同展を開催されるそうです。

ramuneid.com

 

 

 

アートブックはね。

ご自身の目で確かめるのがいいと思います。

通販での受注期間:2017年9月25日(月)~10月1日(日)
発送は10月下旬予定

だそうですよ。

らむねさんのブログをチェックしてね。

ramuneid.com

 

 

作品は、一部minneで販売もされてます。

minne.com

 

 

原型から希望のものを作ってもらえるフルオーダーについて。

ramuneid.com

 

 

 

 


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