肩書きに使うのは、独自の表現VS一般名称どっちが有利?
肩書き、というものについて、たびたび考える。
最近、「異界絵師」に「異界龍画師」というのをプラスした。
今、併用している。
似たような名称だから、どっちでもいい…といえばそうだけど。
「龍」の文字を入れるか入れないか、印象は全然違うように私は思う。
(そう思ったんでなければわざわざリネームしない)
肩書きを何にするか…というのは、私はもうかなり昔から、常に考えてきているお題だ。
Web系の仕事していた頃から。
当時はまだ、「アドバイザー」なんて表現も使う人は少なく。
コンサルを個人がつける世の中でもなかった。
制作代行を主とした業務にするのであれば「Webデザイナー」とか「Webコーディネーター」とか名乗り方はあったけれど。
私は、代行を自分でしないで、個人…特に、これから自分のホームページが必要だなと思っている「ITが苦手な人」に、ITを取り入れたらどうなるか…という根本的なところから「個別にアドバイス」をするセクションを自分が行い、実際の制作は制作者に委託して作ろうと考えていた。
今では普通なやりかたなのだけど。
なんせ時代はCMS黎明期。
個人がブログを持つ、という流れすら、まだなかった。
結局私は「アドバイザー」と名乗ることにしたのだけど。
多くの人は、私が制作までやるのだと受け取った。
そこを説明すると、「じゃあその制作してくれる人に頼めばいい話じゃないか」みたいになる。
もちろん、私が説明するのが下手だったってのは、あると思うけれど。
そもそも、当時、私が顧客ターゲットに想定していた人達は、メールすら打ったことがないような、キーボードなんか見るだけでイヤになるような、でも自分で営業できるツールがあるらしいからそこには興味がある…といった人達。
まず、「それについて考える」ことさえ、イヤ…と。
だから、「メンドクサイことはいいから、とっとと作ってきてよ」的な流れになる。
「作るところだけじゃなく、その前の段階が大事なんですよ」と、説明しようとしていてしきれなかった私のスキルが足りなかったのは大きいとして。
世の中的にも、そしておそらく「地域的」にも、そういうやり方は受け入れられなかった感じ。
特に私が主たる顧客に想定していた「スピ系の仕事をしている個人」は、制作する側としても「このお客さんが何を言ってるかわからない」となりがちなので。
そこを狙っての想定だったのだが。
結局、それをなんとかしようとしている途中で、私の「流れ」は絵描きにガッと切り替わってしまったので、Web系の仕事はすっぱりとやめた。
ウンザリしていた、というのも大きかったけど(笑)
まあ、狙ったところは正解だったと今でも思っているのだけど。
ちょっと早すぎた&私自身のコミュニケーションスキルがそこまで高くなかった&営業ヘタだった…と、敗因も揃っていた。
そして、その次は、絵描きとして名乗る時の肩書き。
当時は天使しか描いてなかったので、順当にいけば「天使画家」とでも名乗るのが通りやすかっただろう。
しかし、私は当初から、ほどなくして神が来る(というか、こっちが掴まる…)とわかっていた。
なので、天使画家という限定をかけたくなかった。
それで、名乗ったのが、「天上絵師」という肩書き。
これなら、どの国の神が来ても吸収できるし、天使だって仏様だってOKじゃん…てことで、この肩書きはけっこう長く使った。
しかし。
この肩書きは、しょっちゅう「天井絵師」と誤記された。
しかも、そのうち、絵の中身がだんだん、「天上界」という雰囲気よりもずっと、カオスになってきた。
筆と墨を併用するようになって以後、拍車がかかり。
これはそろそろ、天上だけではカバーできないんじゃないか…と、思うようになり。
その頃、アメブロ内で、個人ブロガー向けに「ブログタイトルをつける」という個別メニューを知り。
よし、ここは一発、そういう人に依頼して考えてみるか、と思い至った。
そのやり取りの中から出て来て、決まったのが、「異界絵師」だ。
一度はこの「異界」を別の言葉に変えようとしたのだけど。
結局、そのまま据え置くことにして、この先もたぶん、もう変えない気がする。
今では、「異界」というのが私自身の枠組みにさえなった。
さて。
異界絵師でもういいじゃん…と、一旦決着していた肩書き。
二ヶ月前に、「一夜限りのネタ肩書き」のつもりをFacebookに登録しちゃって60日間変えられないというしくじりをやらかし、先日やっと再変更かけることができた…てことがあったんだけど。
なんで、突然、そういうことを考えたか…と言えば。
とある、プロフィール制作のプロのセミナーに参加したのです。
それ自体は、その方への興味というところから申し込む気になった…というやや邪道な動機なのですが。
龍画にフォーカスを絞ることにした時期と重なっていたので、「肩書きに龍を入れるべきなのか」と考え始めていた時ではありました。
他のところで、「龍が好きなんです」とおっしゃる方にセルフマガジンをお渡ししたとき、最後のページになるまで龍が出てこないので、私が今龍を描いてるというイメージの元で見た時に違和感になるらしい…というのを、知りました。
それがきっかけといえば、きっかけ。
そして。
そのプロフィールセミナーに参加している最中に。
「ああもう、去年言われた<ドラゴン絵師>の方が通りがいいんじゃないだろうか」
と、思えてきた。
…わけです。
そのセミナーで、非常に強調されたのが
「誰も知らない自分の造語を肩書きにするのはやめましょう」
でした。
検索しにくい/されない。
覚えにくい。
うさんくさい/信頼性を損なう。
そして、その理屈でいくと、私が名乗る肩書きは
「龍画家」
てのが、たぶん、一番一般的なのではないかと思います。
そこに、私の「いや、だって私は画家じゃないし」などの「個人的コダワリ」は、無用。
他人が見てわかりやすいもので、勝手ルールを感じさせないものがいい。
それを名乗ること自体は、拒否するほどイヤではない。
画家ではないけど、他人が見てどうかって言えば別に画家でもいいかと思う。
なのに。
その夜、「変えます」と言ってUPしたのは、「ネオ龍画師」なんていう、一般的でないどころか、造語の肩書き。
きっと、その講師の方が知ったら「あかんっちゅーたやろ~!」と思われるかと。
私には、その講師さんの教えよりも、「カメライター」という勝手ルールに則った造語を名乗っている人の教えているコトの方が、自分にあっていると思えたんですよ。
聞き慣れない職業名…特にカタカナが並んだもの。
よく引き合いに出されるのは「ライフオーガナイザー」とか、最近多くなってきたけれどまだ浸透してるとは言えない新しい職業名。
そういうのは、名乗ったところで「何をしてるかわからない」から、あまり意味が無い。
カメライター氏は、そうも教えてる。
同時に、ただの「講師」よりは、何の講師なのかがわかるようにした方がいい、とも教える。
自分が提供するものを端的に、印象に残る表現で名乗れ。
そういうこと。
龍画家、というのは確かに、端的だけど。
私自身が見ているところを伝えるには、ちょっと、やっぱり、違ってるんです。
画家じゃない。
大事なのは、絵ではない。
あくまでもそれは「結果として絵というカタチになった」だけの触媒。
いずれ、絵を使わなくなる日が来れば。
その時は、否応なしに再考することになるだろうけれど。
もしかしたら…その頃にはもう、肩書きなんかいらないや…っていう気分になって、ただの緋呂だけになるかも知れないな…。
なんて。
思ったりもします。
これはね。
誰にも、答えの出せないテーマです。
みんな、それぞれ、成功体験や手応えをもとに、こうしたらいい…と、持論を語る。
それ以上のことは、できない。
一般論として、伝わりやすいセオリーというのは、もちろん、あるので。
それに徹してみる…というのは、大いにあると思う。
だけど、それだって、もし間違えば、自分が望まない人達にだけ広まる可能性もあって。
それでも、認知が上がればいい…のなら、それもありだけど。
もしも、自分は自分の望む人達に的確に届くようにしたい…と強く思うのならば、一般論なんて邪魔なだけ…ということもある。
何を選ぶかってのは、最終的には、自分が決めることです。
私は、もうしばらくは、造語肩書きを名乗って成功した人が教えてくれたことを、踏襲してみることにします。
教えたのは、この人です。
このブログではしょっちゅう出てくる人なので、そろそろ、関係ない方でも覚えてくれてるかもね。
あんまり度々出してると、あいつは信者だと言われてそうだけど(笑)
この名刺、この絵と書体全て踏襲したもので作ってほしい、というご依頼を受けまして。
先日、お一方様に納品させていただきました。
ま、そういうこともあるね。