旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

10年を経て出会った、あるギタリストの音源~縁というのはこういうもの?

今度、公演を行うダンサーの友人に、あるものを送ることになった。

とある舞踏団の映像を納めたDVD。

 

軽量化パックで輸送するために、トールケースではなく薄手のプラケースに入れて送ろうと思った。

 

空のケースがいくつか、あったはず。

 

Webの仕事をやってた当時は度々出番のあったCD-ROMやDVD-ROM。

最近では大容量の転送システムも充実してきて、わざわざディスクに焼いて郵送するなんていう手間は、不要になった。

おかげで、昔使っていたディスクの箱は、もう何年も開けていない。

 

こういうものも、もう処分しちゃってもいいかな…。

 

そう思いながら、箱の中から、空のケースを探す。

イイ感じにちょうど2枚、空のケースが出て来た。

 

それを手にとった時、隣に入っていた一枚のディスクに、目が吸い寄せられる。

 

「は?!」

 

 

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『ギタア弾きの杞憂』 竹内いちろ

 

 

このギタリストは。

大好きな方の一人。

素晴らしい音色を、三ヶ月ほど前にライブで聴かせていただいた。

 

トークも軽妙で、飽きさせない。

 

そして、この方のブログがまた、すごく好きなのだ。

それほどの長文ではないのに、端的でスッキリ、しかし薄っぺらさを感じない。

キリッとした感じのブログ。

 

 

しかし…

 

彼を知ったのは、ほんの、去年のことだ。

 

あるブログ術の塾でご一緒させていただいて。

その時、始めて、この方を知ったのだ。

 

 

けれど…この箱は、もう何年も開けていない。

 

なにより。

このディスクに、全く、見覚えが無い。

 

少しでも記憶に残っていれば、塾でご一緒した時に、どこかで見た名前だな…くらいは、思ったはずだ。

いくらなんでも。

 

塾でお会いするたびに、ライブに行った時も。

CDを買いたいな…という気持ちがあった。

ただ、普段、運転する時か制作中くらいしか音楽をかけない生活のため。

そして、自分の描く世界とギターソロの音が、どうも違うな、と感じるため。

今まで、買い求めることもなくきてしまった。

 

いつも自分が座っているパソコンの、すぐ近くに…こんなディスクが、あったなんて!

 

 

それにしても。

いつ?

どうやって?

誰から?

これを、手に入れたのだ??????

 

全く記憶に無い。

 

 

いや、ちょっと待てよ。

もしかしたら、この箱を開けた記憶がおかしいのでは?

 

どう考えてもそれはない線だけれど、どうにか辻褄があう方向を見いだしたくて、無理に考えてみる。

 

とりあえず、ご本人に聞いてみよう…。

Facebookで、メッセージを打つ。

 

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配布されたか…なんて、なんという失礼なことを聞くんだ…とは思いつつ。

買っていない記憶だけは確かなので、手に入っていたとしたら、それしか思いつかなかった。

 

けれど、予想通り答えは「NO」

 

つまり、このディスクがこの箱に入ったのは、去年ではないということだ。

 

 

そして、このCDはいつ頃作られたものなのか…をお聞きしようとした時。

いちろさんから、先に回答が来た。

 

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「10年前のものですよ」

 

そうだ…Webの仕事をしていたのは、それくらい前の話になる。

ディスクを頻繁にやりとりしていたのも、そのくらい。

以後はWebの仕事をやめたこともあり、インターネット経由の受け渡しが充実してきたこともあり。

ディスクを使う機会は減っていった。

 

 

10年前?!

 

薄い記憶をほじくり起こし、なんとか、こういうモノを持ち込んできそうな人の心当たりを、探ってみる。

唯一、もしかして…という知人が浮かんだので、そのこともお聞きしてみたが。

いちろさんには、お心当たりはないという。

 

謎は、謎のまま。

 

どういう経緯で手元に来たのかも、皆目わからないまま。

いつから、ここにあったのかも。

 

 

でも。

ラインナップにある、この曲。

上を向いて歩こう

 

この曲に関する記事を、比較的最近、書いた。

 

art-hiro-b.hatenablog.jp

 

 

ああもう…なんなんだ。

なんだよ一体。

 

おかしなことは、身近でよく起こるけれど。

今回の、この数奇な出来事は、なにやら意味深なご縁を感じてしまうではないか。

 

 

いちろさんの、10年前の音源を、聴かせていただいた。

今より10年分若い、「キタア弾きの杞憂」というややもの悲しさ漂うタイトルの音源。

 

上を向いて歩こう』は、ほっとできて、サラッと自然に力が抜けるような感じで。

ちょっと、感傷的。

 

この音源が今手元に来てよかったな…と、思った。

きっと10年前だったら、この味はわからなかった…ような気がする。

 

ああ、ヤバイな。

なんか、泣けてきそう。 

 

 

 

 

竹内いちろWebサイト ICHIRO TAKEUCHI Online

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ブログ 線路マニアでアコースティックなギタリスト竹内いちろ@四日市

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