「好きにやる」ということのハードルについて思う(自分メモ)
絵なんか、好きに描けばいいんだよ。
描きたいようにすりゃいいんだよ。
自由にすればいいんだよ。
…と。
思うし、時には実際、そう面と向かって言うこともある。
でも。
現実には、それは「ハードルが高いこと」である…っていうのも、わかっていたりする。
「好きにやる」
って、実は難しい。
いや、難しくないんだけど、難しいことになってしまっている。
円をキレイにフリーハンドで描くことは、難しい。
円と丸とは厳密には違ってて、たぶん、丸を描く、という方が受け取りやすい…かな?
でも、それでも、やっぱりそれは、難しかったりする。
丸を描くって、ただ丸にペンを動かすだけなんだけど。
キレイに描くのは、難しい。
始点と終点が繋がらない。
歪む。
線がぶれる。
キレイには、描けない。
丸を描く、ということを理解はできていても。
「好きに描く」ということは、その「丸ってこういうもの」というモデルすら、ない。
だから、多くの人は、「やり方」を知りたがる。
それも、より「手っ取り早く」「キレイに見える」やり方を。
そういうのがまず、頭にあるもんだから。
「え?好きにって?何描いたらいいのかわかんない~」
っていうことになる。
そういう理屈を理解できるまでに、すっごい時間がかかった。
私だって手本は欲しい(時がある)。
資料を見ることももちろんある。
親指と小指の位置がわからなくなれば、自分の手を見るし。
ただ、自分にとっての「手本が欲しい」と、何を描いたらいいかわからない人にとっての「手本が欲しい」は、違うわけで。
それが、私には、よく意味がわからなかった。
この2、3日、急に、いろんな階層で霧に切れ目ができてきて。
昨日、今日あたりで、開けてきたことが、いくつもある。
不思議なんだけど、特に関連性がないいくつかのモノゴトは、同時に、晴れてくるのだよね。
今までもけっこう、そういうのを経験してきているけれど。
たぶん、関連性がないと思っているのは表層だけで、実は根っこは一つである…ということなんだろう。
大きかったのは、昨日書いたこれ。
「好きなことしよう」は、今でもとても好きな言葉だし。
オススメしたいことだし。
でも、この言い回しだと、私には上の「なんで手本?」の疑問のように、今一つ、腑に落ちてこないことがあった。
それを、「好きにする」と言い換えただけで、据わりの悪さは格段に減った。
そして、晴れてきた。
たぶん、こういう、ある種の「融通の利かなさ」とか「理解力の限定」のようなことが、人それぞれ違ったところで違った方向に働くのだろう。
好きにやる、ということができないのは、踏み出すのがコワイからだ…とか。
人目を気にしすぎるからだ…とか。
よく言われることで、確かにそうだと思う。
でも、他に、「その意味するところが想像できない」というハードルも、きっとある。
やってみた結果が想像できない…ということではなくて。
そもそも、「好きにやる」ことそのものが想像できない、ということ。
それを見せる、やりやすくするのが、先駆者や、型の役割なんだろう。
そして、それは、一つでも一人でも多い方がいい。
どのパターンがヒットするかわからないから。
未熟であろうが、ニッチであろうが、極めて限定的であろうが。
受け手側がいくつかのパターンを組み合わせることができるようになれば、それこそ「好きにできる」ようになる。
以前に少しだけ太極拳をやった時に、複数のベテランの人の動きを見ても、全然わからなかったことがあった。
教えることがとても上手い(というか、その理屈の組み立てが、私が理解しやすいカタチだった)師範がその動きを分解してくれたときに、「なんだ、そういうことか!」というのが、スッキリした。
たぶん、それと同じなんだ。
真っ白な紙とペンを渡されて「好きに描いて」と言われても意味がわからない人でも。
「好きな線を描いて」と言われたら、描ける人が出てくる。
「好きなところに点を打って」と言ったら、できる人が出てくる。
「好きな線を引いてもいいし、好きなところに点を打ってもいい」と言えば、同じグループで同時にやってみても、たぶん、全員違うものができてくる。
それをお互いに見る、という経験値が、「違うものを描いてもいいんだ」というインプットになれば、たぶん、「好きにやる」の意味がわかってくるのも早い。
…のでは、ないかな。
きっと、他のいろんなことも、同じなんだ。
たぶん。
私の「強み」の一つに、「細部から全体を構築する」っていうのがある。
こんな風にして、一つの「小さな断片」がわかることによって、勝手に大きな枠組がわかってくる…というか、組み立てられる、というもの。
先月から「よし、やろう」と思って今準備している「定期企画」があるのだけど。
その企画に、ここに書いた概念が使えそうだ。
…という、長い自分メモでした。
なので、「何言ってんだコイツ」と思われても全く構いません~。
★外部サイトからも読者登録できます!→