絵漉き和紙 第二弾は鳳凰!
お世話になってる方のご案内で、三度の小原和紙のふる里へ行って参りました。
行けば当然、漉きますよ~♪
前回の、絵漉き第一作目はこちらの記事でどうぞ(^^)
第二作目は、夜空を漉き始めまして。
さあ、どうしようかな…と思ったところで、先日の工房ツアーで拝見した名人の方の制作過程ビデオを思い出しまして。
鳥を漉いてみたくなりました。
で、鳳凰。
こちらが、脱水乾燥後の、完成図。
部分ズームイン…月
鳳凰部分
そりゃーまあ、この道50年の名人にはかなうわけないですが、案外イイ具合になったかも~♪
▽制作過程。
まず最初に、白一色で下地を漉きます。
手漉き和紙というと、枠を左右に大きく動かしてバシャバシャ…というイメージなのですが、小原の和紙は、バシャバシャしません。
枠内に均等に(または、好きなところを好きな厚みに)材料を流し込むために、枠を左右に傾けることはしますが、バシャバシャはしないです。
しなくてもよいように、材料が作られています。
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▽その上に、染料で染めたコウゾと、接着剤となるトロと呼ばれる木の根から取った素材を混ぜて流し込み、色をつけていきます。
この「トロ」が、バシャバシャしなくても紙ができるツボ。
色同士は、混じりますが、水彩のような滲みあいとは違います。
コウゾとトロの濃度を上げてやると、色が濃くなります。
↓
▽満月をハッキリ目に出したいので、コウゾが流れ出ないように毛糸で境界線を作り、その中に濃くした黄色を流し込み。
雲になる黄色いところは、スポイトやスプーンなどで垂らしていきます。
↓
▽月の境界線を作った毛糸をピンセットで取り除いたところ。
枠を取っても、勝手に流れ出していったりはしません。
水玉模様になっているところは、「落水(らくすい)」という、和紙の漉きこみ技法で、上から水を落とし落下点に穴を打って作ります。
落ち具合は、ある程度はコントロールできるけど、偶然性を楽しみます。
↓
▽白く染めたコウゾの繊維を使って、なんとなく鳥のアタリをつけます。
下絵などはありません。
私は平素から下絵ナシが多いので全然問題ないですが、お手本になるイラストや写真、スケッチなどを用意しておくとスムーズにいくかと思います♪
斜線状の白い筋は、針金を使って、コウゾを細くのせています。
今日よくわかったのですが、粘土やパテなどはクシ状のもので細い筋を入れることができるけれど、コウゾは繊維が絡まりあっているので、間隔の細い平行線を引っ張って描くってことはできませんでした。
↓
▽いきなりですが、完成(笑)
熱中しすぎて、羽毛を貼っていく過程を撮るの忘れてました~。
最後の仕上げに、金箔をふりかけてます。
▽乾燥前の、部分ズーム。上に載せた乾燥後と比べてください。
色などはこの状態の方が鮮やかだし、水を含んでコウゾがふっくらしてるし、トロの艶でゼリーみたいで…この状態で完成できればいいんだけどな~と思いますねえ。
▽材料
このカラフルなのが、染めたコウゾです。
これに、トロや水を加えて、好みの濃度に調合します。
混色もできます。
今日は、ここから、黒・白・黄・エンジ・紺・青と6色使いました。
▽形を描くのに使う、コウゾの繊維。
▽引っ張るとちぎれます。先端は自然に細くなるので、これを活かして羽毛の方向に貼っていきます。
今回は羽毛ですが、これを様々に活用して、樹木や草など、いろんな形を作っていきます。
そこは、アイデア次第(あと…根気)
面白いのが、意図的に脱水しない限り、トロはずーっと、表面に残って濡れたままなのです。
だから、何日もかけて一枚の絵を漉き続けることができます。
前回の体験の時、隣のシマで精密な水彩画を元に絵漉きをされていた男性がいらっしゃったのですが、10日目だとおっしゃってました。
そして、一旦乾かした後でも、再び水に濡らすと、上に流し込んだ紙はまた、動かすことができるのだそうです。
トロの接着力って、すごく高いのですが、乾燥してしまえば全くベトつきもヌルみもありません。
普通に、紙です。
でも、濡らすと、また戻るのですよ。
天然素材って面白いです。
そして、それを活用することを考えた先人達はホント、スゴイと思います。
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