旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

我が家はビックリハウスだった…の巻

とある方のブログを拝見してて、なんだか自分のことに似ている…と思ってしまったので、昔のことを振り返ってみようと思います。


私は霊NO感です。
が、今はもう存在していない私の生家は、ちょっとしたお化け屋敷でした。

…っていうか、気にしてなかったから、お化け屋敷だなんて自覚は全然なかったけど。

 

その生家を離れたのは、両親が郊外に新居を購入して引っ越したためでした。
その家は、父とその姉妹の生家でもあります。
私がそこを離れたのは23歳の時。

 


「○○に住んでた」というと、けっこうな確率で「えー、あんなオシャレなところに住んでたの?いいねー」と言われる地域なのですが…ね。

それは、かなり後になってから、その地名のついたところの「一部」がオシャレに開発されただけの話で。
我が家があったあたりは、けっこう下町っぽい雰囲気…というか停滞した空気感というか……地形からして、四方が高台になった、その「すり鉢状」の最も低いところに相当しておりました。


そんでもって…片側3車線の幹線道路に面していたのですが、どうもその辺りの排水設計がおかしかったのか。
名古屋市中心部に向かって走った時、道路の左にあたる側は全くナニゴトもないのに、その対面側ときたら、すり鉢の底辺を見事に体現した「年に数回の床下浸水」に見舞われる。
うちは、見事に、その見舞われる側にありました。

私がそこにいた23年のうちに、床下浸水はもう数え切れないほど起こり、床上浸水にも2度見舞われております。

道路の対面は全く水の気配もないのに。

水の足の速いことといったらもう。
あれは、経験してないと想像つかないんじゃないかと思います。

あ、なんかこの降りはヤバイな、と思い始めて30分後には、床下に来てますからね。

しかも、我が家はいわゆる「長屋」になってて、ぴったり左右の家と壁がくっついてるので、家の開口部は細長い家屋に南北一カ所ずつしかありません。
ええ、「窓がない」のですよ。
だから、浸水されたら……その後の惨状は、ご想像にお任せします(^_^;)

二度目の床上浸水の時は高校生で。
翌日、後片付けのために欠席の連絡を学校にしたら、嘘つき呼ばわりされたことは忘れられません。
「ウソだと思うなら手伝いに来てください」
と、電話で担任に言いましたが、もちろん来ませんでした。
ていうか、雨足が危険な感じになってきたので学校早退したんだけど。
それも、早退理由をウソだと思われてたってことなんですかね。
今気づいたよ…。

 


湿気がたまる家というのは、よくないですね。
心身両面に、よくないと思いますし。
いろんなものが、一緒に、家にたまります。

虫とか。
虫とか。
虫とか。
ネズミとか。
虫とか。
蛇とか。

蛇は私的には別に何も問題ないのですけど。
家族には不評…母は大の蛇嫌いでしたので余計。


蛇については、いろんな逸話がありまして。
父の姉達の若い頃から「居着いている主」がいる…とか。
蛇さんは何度か私も「家の中で」会ってますが、その主さんだったかどうかまでは不明です。
ちなみに、ホンモノの蛇ですよ。
…………たぶん。

父の姉も蛇嫌いなんですが、なんでもある時、押し入れの扉を開けたら、中から3メートルはあろうかという大きな蛇が胸の上にドーンと落っこちてきたそうで。
以来、蛇が大嫌いになったそうです。

……ちょっと、そんな目に遭ってみたいような………。
で、伯母達いわく
「何度捨てにいっても戻ってくるんだよねえ」
とな。
何度も捨てに行ったってことは、何度も捕まえたってことだよね。
さすがだよアンタら…と、思った私。
父の姉達や妹のすさまじいまでのエピソードは、枚挙にいとまがないのですけどね(^_^;)

 


あと、蜘蛛ね。
巣を作らない種類の、大人の手のひらくらいの大きさの蜘蛛が、毎シーズン出てきて。
これは私も、映画のワンシーンみたいなビックリなことに遭遇した経験もあるんで、ちょっと怖かったです。
でも、人間には全く害のない蜘蛛ですので、私は別に追い払うでもなく、放置してました。
巣を作られるとうっとうしいですが、作らないから、勝手にどっか行ってくれるしね。

ああ、普通に巣を作る蜘蛛もたくさんいましたけど、そういうのは手で掴み潰すのが平気な祖父が始末してました。

あの人もすさまじかったな………(^_^;)

蜘蛛は殺さなくていいって言ってんのに…。

 


ネズミは困りますね。
あれ、間近に見るとカワイイだけに、余計困る。
寝てる時に足下や枕元を走っていった…なんてことは、日常茶飯事だったんだけど…。
前述のように、うちはしょっちゅう浸水騒ぎがあるところだったので、ネズミたちも対策を考えていたらしくて。
引っ越す時、古い古い、もう何十年も全く使ってなかったタンスを処分するために引き出しあけたら、一番下の段に「餅のかけら」がぎっしり詰まってた…ということがありました。
ネズミ貯倉庫…。
パンの袋をくわえて引きずっていこうとしているところを発見したこともあります(笑)

っていうか、餅とネズミといえば大国さま?
ははは(^_^;)

 

…という、とてもじゃないが「オシャレな○○」のイメージとほど遠い、我が家の「現実の珍事」の数々ですが。

見えないことに関する珍事も、そりゃあたくさん、ありまして。

なんだけどね。
なぜか、その家に他人(友達とか)がよく出入りするようになるまで、全く「ヘンだ」と思わなかったわけです。

うちの家族って、「お互いに確認する」ということをしないんですよ。
なので、自分が「?」と思うことも、家族に聞くってことがない。


とりわけ、びっくりしたのが、いつも同じところに佇んでいる「黒いオッサン」のことです。


母が美容院を経営していたので、家の玄関はイコール店の入り口。
そこからまっすぐ、奥にずーーーーーーっと細長い構造だったのですが、店と奥の生活空間をつなぐ場所は、「土間」でした。
コンクリ打ちっ放しね。
それもしょっちゅう水があがってくるから、いっつも湿気があるのね。
なので、その上に、学校の下駄箱にあるようなスノコ…うちらは「ザラ板」って呼んでいたのですけども、それが4枚ほど、敷いてある通路(人はすれ違えません)を通ると、次に台所があり、通り抜けると居間があり、さらに通り抜けたところに私が使ってた部屋。

その、台所と居間の仕切りは、開けっ放しのまま動かなくなってしまってるガラスの入った引き戸だったのですが。
それと、冷蔵庫のスキマ10センチくらいのところに、いつも、佇んでいる「黒いオッサン」がいたのです。

いや、それが何かとか、わかんないけど。

とりあえず、人間ではないことはわかってました。

 

10センチの空間に佇んでるんだけども、決して「細長い」わけでも「ぺらぺら」なわけでもなく。

ずんぐりむっくりなの。

てことは、引き戸や冷蔵庫にダブって立ってたってことになるんだけど…。

そういう風景は見覚えがありません。

冷蔵庫は冷蔵庫、引き戸は引き戸。

で、あり得ないところに立ってるオッサン。


でも害ないし、なんせ毎日のことなんで、そうそう気にしてられないわけで。

黒い姿形で、オッサンである…ということしか、わかりません。
顔カタチも何もかも不明ですが、オッサンであることだけは、わかります。
いっつも、見てるんだよね、こっちを。
けど、動かずに、ただ見てるだけだから、どうでもいいわけです。


8つ年下の妹がいますが、彼女が、引っ越してから数年経過してから初めて、会話の中に持ち出して。
その時になってお互い初めて、お互いにそれを「黒いオッサン」として認識していつつも、別にヘンとも思わず誰かに言いもしなかった…ということが判明しました(笑)
「あのオッサンは、あの家なくなって、どうなったのかなあ~」みたいな会話でした。

 

家の一番よい場所は店で、そこと居住空間をつないでいる土間。
そこ、誰もいないけど足音…板を踏む音がするところで。
確実に、誰か人間が歩いている音だったんですけど、誰もいないわけですよ。

家には二階があったんだけど、誰もいない時に二階で動いてる気配がする…とかも、あまりにもいつものことでした。

黒いオッサンがうろついてたわけではないです。

あれは動かないので。

 


専門学校の時に、どうやら霊感が強かったらしい(本人もそれまで知らなかった)友人がうちに泊まっていったことがあって。
その時、どうやら、うちから何かをつれて帰ってしまったと。
が、その「何か」は、私も、妹も、それまでうちに来て「ここコワイ」と言ってた他の友人も気がついてないモノだったので、そりゃあビックリしました。
連れ帰ってしまった友人は、以来、あちこちでヘンなものに遭遇するようになってしまったらしく「どうしてくれる~」と言われましたが…知りません。
だって私には、害ないし(笑)


うちの店に、拝み屋さんとかお坊さんとかが、通りすがりに「お経あげさせてほしい」とか言って入ってくることも、何度かありました。
その人達が「ここです」って言う場所はたいてい決まっていて。
仏壇のある居間を素通りして、私が寝てる部屋に直行。
ちょうど、寝る時に足元に来る配置の本棚のところで、みなさん読経されて行きます。
母は「見えないものは信じない」と「口では言う」けれど、どう考えても我が家で一番「ヘンな人」でしたが、信心みたいなものはその場限りのことが多く、そういう人が来てから数日は水や線香をそこに供えてましたけど、すぐ忘れます。
私も、別に気にしませんので、何もしません。


そういう私は、家の間取りからして「それ以外にどうしようもない」状態で、そこしか敷けない場所に布団敷いて寝ていたのですが、どうもそこが何かの通り道になっていたようで。
寝てる時に、誰かが上を歩いていく…ってのが、しょっちゅう、ありました。
「幽霊に足ないってウソじゃん」
とか思ってたので、それが幽霊かそれに近いものだということは認識してました。
でも別に害ないからね。
上歩くくらいなら。
イチイチ目くじらたててたら、そこには住めないし。

それより、ネズミが走っていく方がイヤですよ。

でも、明け方とかに時々、ナニカ重いものが落下したみたいなドーンって音が響くことがあって、あれはウザかったな。
物理的に何かが落ちてきてるってことはなく、ただ、音だけなんだけどね。

音といったら、うちは現実の物音もかなりうるさい家だったので、私は少々のことじゃ起きたりはしません。
24時間車やトラックがビュンビュン走る道路に面し、上空には航空路、家の真下は地下鉄が通る、近所には救急病院…という環境だったんで。
おまけに、お隣と壁一枚でくっついてるから、喋る声も丸聞こえだし…。

 


コワイ思いは一度もしたことがないか…っていうと、そういうわけでもありません。
でも、過去最高の恐怖体験は旅行先でしているので、家はどうってことなかったです。
私は小学生くらいまでは、ものすごい怖がりだったので、たぶん本当に、大してコワイものはいなかったんだと思います。


確実に、よいものも、いましたしね。
死にかけたところを「助けられた」のだな、ということは、何度かあります。

 

我が家の氏神さまで、私の産土神社さんは、我が家から見てほぼ真北にありました。
そこは、ちょっとお土地柄がね、アレで。
四方向高台なんで、もちろん、神社も高台。
というか、小山。
そこから、風にのって吹き下ろされてくる感じで、神社の音はよく聞こえました。
距離はけっこうあったわりにね。
笛や太鼓、時には祝詞も。

それを聞いて育ったわりに………だからかな、雅楽はあんまり好きじゃありません。
(私の思う日本の神様は雅楽じゃない)
そこの神社は怖かったから。
今でもまだちょっとコワイんだけど、当時はホント怖くて。
神社ってのはコワイところなんだと思ってましたからねえ。
行事は盛んで、しょっちゅう行くところではあったけど…。

後から思ったには、そのあたりから、うちの上を何かの道が通り抜けていたんではないかな、と。

……今、書いててふと、気になったんだけど……まさか、音聞いてたの、私だけじゃないよな…(^_^;)
他の家族と、そのことについて話したことがないから…。
黒いオッサンの件と同じで……。

 


まあ、いいか…今となっちゃ、現実に聞こえてたのかどうかの確認もできませんしね。


中学生くらいの頃からだったかな。
どうも、しばしば、近くに、すごい大きな猫的なナニカがいる気配を感じるようになったのです。
虎好きな私は勝手にソイツを虎だと思っていたけど。
上顎からアザラシみたいな牙が出てて、とても虎ではないのですが。
いや、見たことはないんだけど、そういう感じなの。
足元に来たり、背中にくっついてきたり、時々上にのっかったり(重くなくて、なんか<もふっ>とするだけ)してましたが、いつもいるわけではないし、だからってナニカしてくれるわけでもないので、ほぼ、気にせずにいました。
ナニカしてくれてたのだと想像すると、いろいろと追い払ってくれてたかな、…とは、後から思ったことです。

引っ越してからもしばらくの間は気配があったんですが、いつのまにか、感じなくなりました。

 


あれ~。
こうやって書いてみると、別に何も、コワイことはなかったみたいですね、うち。
怖くて泊まれないって言ってた友達も複数名いたんだけどな。

んー、お化け屋敷っていうよりは、ビックリハウスか?

 


自分の家を思い出しちゃった…っていう他の方のブログは、なかなかに武勇伝ぽいものだったので面白かったんだけど。
私は基本放置に終始してきたので、別に何も面白くないかも。

まあいいか、せっかく書いたから、上げちゃう(笑)

 


あ、そうだ。

あの家の中で一番「コワイ場所」というのは、ここまでに書いていない場所なんです。
が、それを、どう書いていいのやら。

現実の建物の構造的にも、なかなか文章で表現するのが難しい。

「中二階」みたいな場所がありまして。
一階があって、なぜか、階段もなく大人の腰くらいの高さになってるところに中二階があって。
その中二階に、二階への階段がついていた。
で、その中二階ってのが……一番コワイ場所。
大した広さではなくて、たぶん、3畳か、もっと狭かったかも。

二階は別にこわくないんだけど、そこに行く途中がコワイ。
そんでもって、その中二階へあがる段になってる場所の横を通らないと、家のどこにも行けない。

で、そのコワイ場所にお風呂があった。
ホラー見た後お風呂入るの、コワイじゃないですか。
それが、ホラー見なくてもホラーだったわけですけどね。

でも、特にどういうエピソードがあったわけでもなくて。

いや~、こういうことって、書くの難しいや~。

 

 

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