先月制作しました陶芸作品。
本日、本焼きが終わって窯から出てまいりました。
まず、最初に、窯から出てきた子達をじっくり見て、思ったこと。
「釉薬、手強し!」
これに尽きます。
全く予想を裏切った仕上がりです。
いや、ダメっていうことではないけど。
日本画の岩絵の具が「描いてる時と乾燥後であまりに色が変わる」からって、学生の頃は腹立って、日本画キライ!って思っておりましたけども…。
この意外さ加減は、顔料以上です。
当日、つかった釉薬をメモっておいたので、備忘録としてそれも書いておきますね。
おそらく、焼き物をされている方の多くは、これを見たら
「アホ?」
ってなるんではないのかなあ…とか、思いつつ。
ウケれば、それでヨシ(笑)
まず、「浪」
浪が二カ所、素焼きの段階で折れてしまいまして。
まあ、その時点で失敗作ではあるのですけども…そもそも、焼き物を「お試し体験」ではなく作ったのが、これらが初めてのことですので~。
使用
釉薬:
青ガラスを全体にかけた後、トルコブルー、白萩、織部を上から散布
…そんなに使ったっけ?っていうくらいに、青ガラスに紛れこんじゃって、全然わかんないじゃん…織部とか…
完全に、流れちゃって、底に溜まってます。
あ…内底の写真撮ってくるの忘れた。
まあいいか。
内底…
釉薬が焼けて流れ落ちて溜まったところですけども…確かに「ん~と、一体これ、何をかけたんだっけ????」と首をひねるほど、なんか変わった色になってました。
二度と再現できない色です(笑)
浪の先に溜まったガラスはかわいくてヨイ(^^)
次、竜。

使用釉薬: 均窯(きんよう)に白萩で筆描き
…おいおい、一体、どこに筆描きしたん??
という感じになっております。
描いたのは、お皿の表面に渦巻き。
これは、かすかに残ってるね。
それと、竜のツノと背ビレも塗りました。
ええ、確かに塗りましたとも。
流れて全くわかんないけど。
白マットにすりゃよかったかなあ。
まあ、これはこれでアリなんですけどね。
(結局、何でもいい(笑)
そして、炎。
これが一番意外な仕上がり…。

使用
釉薬:
天目 織部 虹彩ラスター 虹彩ラスターに透明を混ぜ合わせ
これらを、漬け込みではなく筆で載せました。
どうやら、その「筆で」っていうところがちょっと、イカンかったらしいです。
というか、筆でつけた「分量」が足らなかったらしいです。
真っ黒ではなくて、ちょっと茶寄りなんだけど、でも黒。
まっさか、こんな真っ茶?
織部は、底の渦巻きのあたりに、ちょっと気配があるかな。
虹彩ラスターっていうのは…水の上にできた油膜って、虹色になるじゃないですか。
それは、この画像のように、一部だけに載せているので、まあ、ヨシ。
白い土の地色だけ…みたいに見えるところは、透明釉にちょこっとラスターを混ぜて塗ってあるんだけど…。
まるで素焼きのままのようで、透明
釉薬すら「え?かかってるの?」っていうくらいにしか、わかんないです。
なるほどねぇ…
かといって、濃すぎると、これまたイロイロと問題が起こるわけで……
それを、それなりに予測できるようになるには、どれくらいの経験値が必要なんだろな~。
まあ、その意外性が楽しいところではある。
私が焼き物をやり始めたのは、成り行きもあるけれど、目的があります。
焼き物の作家にもなろう、っていうことではなく。
焼き物、というものそのものを「一つの素材」ととらえて、他の素材とコラボさせたいのです。
和紙とか、木材とか、石とか、もっと現代的な樹脂などの素材とか。
それらとの複合作品を、作りたい。
そのためには、それぞれの特性を、それなりに把握してないといけないので。
焼き物の腕を上げて作品展に出す!とか、そういうことではないのです。
だから、いろんなことをやってみたいのですよ。
もっとも、それらの「素材」は、それぞれが長い歴史の中で培われてきた工芸品。
そうそう、一朝一夕にわかるようなモノじゃあござんせん。
しかも、一つわかればいいっていうもんじゃないわけで。
でも、陶芸なら陶芸だけ、和紙なら和紙だけ…という縦割りじゃなくて、複合したいの。
そういうところが、私の「広く浅くあれもこれも興味持って、そこそこできるようになるけど、どれも平均以上にならない器用貧乏」を逆手にしようという目論見なのです。
縦横無尽蜘蛛の糸式
これ、意外に、「私のしたいことの本質」を表現してるかも知れないと思ったねえ。
ってなことで。
まだまだ、焼き物実験は続くのでありました。
そんでもって、明日は和紙実験をやるのである。(予定)
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