緋呂の異界絵師通信

ミエナイセカイ ハ カサナッテル

伝統技法でモノを作る そんな場は「時短」じゃないほうがいい時もある

陶器絵付けは、イッチンという技法を使っています。

 

イッチン

読み方:イッチン

泥漿器物文様盛り上げ描くのに用いる用具。イッチン盛、イッチン掛ともいう。

 

文字で見てもよくわからないと思うので動画を。

いっちん絵付け練習#陶芸 #togei #artwork

 

 

もっとわかりやすくて素晴らしいものを探してきました。

京都の伝統工芸士・伊藤南山さんの動画をお借りします。

www.youtube.com

 

 

生クリームやチョコソースを絞り出してカタチを作ったり文字を書いたりしますよね。

ああいうのを想像していただければ。

 

 

こういうので、線を描いています。

https://www.instagram.com/p/BcZ4XA8FWvZ/

イッチン絵付けによる雲と龍 #手描き #dragon #龍 #陶器 #イッチン #雲 #焼成前 #異界絵師 #絵皿 #japanlovers #japanstyle #ceramics #drowing

 

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https://www.instagram.com/p/BX9KN2oF1oY/

焼成終わって出来上がった絵皿の一部 #artwork #togei #dragon #龍 #陶器 #絵皿 #異界絵師

 

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陶器に絵付け #artwork #dragon #龍 #陶器 #絵皿 #異界絵師

 

上の阿吽龍絵皿、線描きの状態がこちら。

これだと、イッチンの線よくわかるかな。

https://www.instagram.com/p/BXpq1MqlM6g/

阿吽龍皿 #手描き #dragon #龍 #陶器 #いっちん #焼成前 #異界絵師

 

 

線は全て、この、口金から絞り出した泥(盛り絵の具)で描いています。

絞り出しの始まりのところがちょっとダマになり、先端は細く。

その「線形の特徴」を活かす線の方向を使って描きます。

 

お皿を左手に持って回しながら描く感じ。

 

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撮影:中田幸三さん

 

 

これに使う絵の具がね。

なかなか、いい感じに作れなくて。

この技法を教えていただいた作家さんに、泣きつきました。

うまく調合できたかどうかは、焼いてみないとわからない。

でも窯がない私には、まず窯に入れてもらえる日まで数週間~2ヶ月くらい待たなきゃならない。

で、もし上手くいってなくて、剥げ落ちてたり色飛びしてたら...次の素焼きができてくるまでまた数週間~2ヶ月待って、絵付けして、本焼きで窯入れしてもらえるまで待って............と。

2サイクル回るのにヘタしたら1年です。

そんなに待ってられない。

だから、無理をお願いしました。

快く分けてくださって、本当に、感謝しています。

 

もちろん、自分で調合することは試しながらですよ。

 

 

今月中に本焼きに入れてもらえることになっているので、次のテスト品も一緒に入れてもらいます。

そのために、少し絵の具の配合を変えたものを作ってまして。

粉末の絵の具にちょっとずつ水を足しながら、練っておりました。

 

 

思い出しちゃいましたね。

高校の頃にやった、日本画。

乳鉢ですりつぶした岩絵の具を、膠で練るんですよ。

小さい電熱機の、赤くなったコイルの上に小鍋をのっけて。

棒状の膠を煮溶かす。

粉末の顔料を練って、丸くして。

それを、筆にちょうどいい具合に薄めるわけです。

 

描き始められるまでに、すんごい時間がかかるの。

 

私も普段は顔彩などのすぐに使える絵の具を使ってます。

陶器用のも、液状に調合されているものを買っているから、すぐに使える。

 

盛り絵の具を練りながら、思ったね。

 

こういう、「時間がかかる」工程は、絵に向かうための精神統一の時間でもある。

 

護符とか龍印画を描く時は墨を摺るから、その工程がどう活きていくかは知っているのだけど。

粉の絵の具を指で練る感じは、硯で墨を摺るのとはまたちょっと違いますね。

 

つい、たくさん作り溜めておけば時短になる...とか、思っちゃうけど。

時短していいことと、しない方がいいことってのが、あるよね。

 

 

なんでもかんでも便利に省略して、インスタントにできあがってるものを使う。

そうしてできた空き時間をうまく使うのも、いいことだけど。

ここという時、ここという場合は、呼吸を合わせて一つずつ準備していく...というのが大事なんじゃないのかなあ。

 

...なんて、今更ながら思った午後でした。

 

 

 


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