ヒトガタ封じという行を経て今に至る/見えない世界との付き合いは戒壇巡りに似ている
以前、ヒトガタの絵を禁止されていた時期があった。
辿ってみると、2014年の今頃だった。
禁止されたって、誰に?という話だが。
実在の人にでは、もちろん、ない。
見えない世界的圧力があったということだ。
最近じゃヒトガタでない絵しか描いてない感じだけども。
あの頃は、まだヒトガタの方が主で。
それを、ある日急に「描くな」という無言の通達があって。
(そういう時の感覚を説明できないので、おかしな話になるんだけど…)
実際に、描こうとしてもでもきない。
多分意味がわからないと思うんだけど、そういうことは度々起きる。
[具象の欺瞞]
形 具象 というものの欺瞞何を描こうか…
ああ、これは○○になるのかな…
この線は○○の△△かな…
それら、具象化病を一掃せよ。線に意味を持たせようとする無意識の方向付け癖を、一掃せよ。
それが終わるまで、ヒトガタ封じは続く。
上の引用は、当時のブログから引っ張ってきた、禁止令の理由。
で、何をやったか、というと。
- 1分間(体感測)手が止まったら、その時点で描画終了。
- 止まるまでは描きこみ続ける。
- 絵としての出来具合や見栄えは度外視。
この3つのルールを課して、ペンで抽象画を描いた。
このあたりの絵が、その時のもの。
1分手が止まったら終了というルールがあったので、紙の上にあるのは「一度も制止していない」状態。
次々と線を引き続けて、何を描きこもうとか、この線はナンの意味があるとか一切、考慮しない。
引いた線を自動的に次へつなげていく感じの描画法だ。
もちろん、アタリ線などは一切入れてない白紙から起こす。
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今見ると、別に珍しい感じはしない。
が、当時はそんな絵を描いてなかったから、自分でやってて奇妙な感じだった。
もともと、描く時は何も考えてない。
手が動きたいように動かすだけ。
しかし、それでも、15年弱のブランクの前は、頭の中で構成して描くやり方を長く続けてきただけに。
ヒトガタを描く時は、やっぱり、基本的な人体構造が破綻してはいけないので、無意識的にでも頭の中では「こういう絵になる?」と考えているわけで。
だから、それすらも排除せよ、というお達しになったのだ、と当時のことを理解している。
そして、この時のこうしたトレーニングは、今に至る布石だったなと改めて思う。
まとめようとするな。
整えようとするな。
小手先の小綺麗さを求めるな。
無意味なものとして無意識的に排除する癖をなくせ。
破綻を受け入れよ。
それらが、当時この行の時に感じた、私に要求されていることだった。
そして、このステップを経て、「ヒトガタ解禁」となった後に描いたのが、これ。
ヒトガタ解禁になったはずなのに、最後までヒトガタと成らなかった、大国主命。
正確には、まだ名乗る前の、大己貴神(オオナムチ)
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御嶽山が噴火した直後に描きはじめたヤツだったのだけど。
大国主命を描くこと決めたのはもっと前の、噴火してない時。
ヒトガタが解禁になった理由が、静岡の小国神社で展示会をやらせていただけることになったため。
小国神社はご祭神が大国主命なので、新しいのを、ということになって。
そのときは当然ヒトガタにするつもりで、 ラフもヒトガタで作った。
なのに、描き始めたらどうも、思ってたのと違っていて。
噴火したからな....
が、このあたりから、ヒトガタを禁止されていなくても、ヒトガタ絵が出てこない傾向が出てきた。
「キャラクター化」ではなく、「エネルギーそのものの固定化」みたいな感覚。
最近の自分の絵を見ると、特に手フルオートになるラクガキなどで、当時の訓練の跡が顕著に見えるな、と思う。
時々、意味不明だったり理不尽に思えるような無言指令がくるわけだが。
それらは、その時意味不明でも、後になれば必ず、理由はわかってくる。
そういうのが、今までの経験則でもう、否定のしようがなく理解できてしまっていると。
来たら、呑む選択肢しか、なくなるのだよね。
ぐたぐたと、「えーでも意味わかんないし」」「なんでこんなことやらなきゃいけないの?」とか思うのは、結局、
「これが自分の往く道だ」
て、呑みこめていない証拠。
見えない世界と付き合うのは、戒壇巡りみたいなものかも。
(まとめサイト貼るの不本意だけど、一番わかりやすそうだった)
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