旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

北斎の故郷に完成 すみだ北斎美術館 オープン日に行ってきた!

2016年11月22日、オープン初日の開館時間に行くことができました。

すみだ北斎美術館。

 

 

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入り口から、まずエレベーターで4階まで上がり、常設展へ。

 

しょっぱな、いきなり、スサおっちゃんがご登場。

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これをFacebookにUPしたおかげで、この絵の復元のドキュメンタリー番組があるって教えてもらえてラッキー。

 

常設展の最後の方にあった、これ。

めちゃくちゃよくできてました。

北斎の門人、露木為一の北斎と娘・阿栄の様子を描いた絵を元にした復元実物大模型。

じいさん動くし…

門人が描写している様子は、この模型よりも何倍も「汚部屋」だったと記録されています。

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それと、この原画があったのはホント、嬉しかった。

画像はWikipediaから。

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 一部の撮影禁止作品をのぞいては、常設展示の撮影は可。

 

 

見応えのある展示内容でした。

まあ…常設展だけだったら、微妙な感じではある。

この原画は常設展の方にあったので、これをいつでも見られるのは有り難いけど。

けれども、このハコの維持管理を考えると、今後どうやって人を呼ぶかは、大問題な気がする。

今後の企画展に注目ですね。

近かったら年パス買ってもいいけどなあ…。

 

 

 

 

 

で。

ここからは、私の個人的な、感想。

 

この美術館の外観は、なぜ、こういう外観なのだろう。

北斎美術館だよね?

 

設計者は、建築界のノーベル賞(らしい)「プリツカー賞」を受賞した建築家の妹島和世さんという方。

私は全然興味ないジャンルなので、お名前も存じ上げておらず、どれほどスゴイ方なのかもわからない。

 

けど。

 

この無機質なデザイン。

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上に貼った、『須佐之男命厄神退治之図(すさのおのみことやくじんたいじのず)』が展示されている壁は、斜めの壁だった。

上の方が手前で、下へ向かって奥へ傾いている。

確かに、垂直の壁に額入りの絵をかければ、そういう斜めの展示にはなる。

まあ、そう思えば合理的?

 

 

いや、まあ、そんなことは細かいことなんだけど。

 

なんだろう…「美術館とはモダンなもの」といった思い込み前提があったんじゃないのかな、なんて。

思ってしまう。

 

 

 

今日になって、ここのことを検索してみたのだけど。

反対意見もすごく、あって、難航した計画だったようだ。

 

この場所に、こういう建物ができて、そこに本拠ができる…ということは、いいことだと思う。

実際、私のように、遠くからでも行くぞ、っていう人は多いと思うし。

外国人の愛好家も多いし。

国内の、縁の地に拠点が起った…というのは、良いことだ。

 

私の、ちょっとした不満は、ハコのデザインだけ。

あとは、どうにかうまく運営してほしい、という願い。

 

 

贋作も多く含まれてるんじゃないか?という疑問を書いているサイトもあったけど。

肉筆画はともかく、刷り物は、そもそも「贋作」という意味は薄いように私は思う。

だって、北斎が描いた絵には違いないけど、実際に「絵」として世に出るものは、行程ごとの専門職人が分業で作り上げる「印刷物」だ。

肉筆画や浮世絵の原画などに贋作が混ざっているとしたら、それは問題だけど。

浮世絵自体は、贋作も何もないだろう。

版木だって、何度も作り直されているわけだし。

 

それよりも、それこそ「版木の元になった絵」みたいなものが展示されていたらもっとよかったのにな…なんてことは、思った。

そういうものが残っているなら、という話だけど。

 

とにかく。

デザイン云々はともかく。

この美術館そのものは、今後もうまく運営していってもらいたい。

ので、次の企画展も、足を運ぶつもりです。 

 

 

 

 

すみだ北斎美術館

東京都墨田区亀沢二丁目7番 03-6658-8931

 

【開館時間】

9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)


【休館日】
毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)

年末年始(2016年12月26日~2017年1月1日)

他、臨時休館あり

 

【常設展観覧料】

(個人)一般400円/高校生・大学生・65歳以上300円 ※中学生以下無料

(団体)一般320円/高校生・大学生・65歳以上240円 ※中学生以下無料

 

【アクセス】
・都営地下鉄大江戸線両国駅徒歩5分
・JR両国駅徒歩10分

 

hokusai-museum.jp


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