緋呂の異界絵師通信

ミエナイセカイ ハ カサナッテル

楽しさと、選択肢 狙う/追う/獲得する…今は「もうカンベンして」としか思えない

ちょっとした人様の呟きが、ふっと、自分の視界の暗くなっていたところに灯火をともす…ということが、起こる。

 

↓ ↓ ↓

 

「楽しめない時期が長すぎて慣れてしまって」

 

 

 

絵描き道は、シンドイことばっかり。

そんなことを人にもらしてみた時に。

「どうして、楽しくないことやっているの? もう、そういう時代じゃないよ」

なんて、言われたことも、ある。

 

 

でもね、選択肢は、ないの。

 

そこを理解できないのは、仕方ない。

人は人、私じゃない。

 

けどね。

少なくとも、今は…そして、まだ当分の間は。

他の選択肢は、ないのだ。

これだけは、はっきりしている。

 

 

今日、追う側か、追われる側か…という話を、した。

いや、そんな言葉は会話には出てこなかったけれど。

後から総括したら、そういう話だったな…っていう。

 

何を「追う」「追われる」かと言ったら。

 

「目標」とか「狙い」とか。

そういうこと。

 

売上げでもいいし、社会的立場や評価でもいい。

 

そういった「設定した到達点」を、追う側でいたいか、それに追われる側になるのか。

そういう、話。

 

 

私は、至ってムラ気な描き手である。

努力ではなんとも、しようのない、この乱高下。

これは、はっきり言うと、「プロ」としての資質に大いに欠けている。

 

金をもらってクリエイトする、という立場になったら。

ムラ気がどうこう、言っててはいけない。

乱高下があっても、常に平均したクオリティを提供できる、ということが、プロの条件だ。

結果として、食える、という現象がついてくる。

 

無理なんだよ、私には。

 

そこは自分に負けてちゃいかんだろう、と、正論は言える。

 

でも、今までどれだけ、その乱高下の平均を取ろうとして骨折ってきたか。

そして、今は「無理」と、一旦結論を出したのだ。

 

つまり、「常に平均的なクオリティを提供することがプロの役目」という土俵を、降りた。

 

 

「大きく儲けたり、大きく評価されたり、とまでは望まない。

けれど、ある程度は収入として成立する立場にならなければ満足できない。」

 

昔からよく知っているヤツが、目の前でそう言った。

 

今、私には、もう、そんな欲が出てこない。

 

もちろん、だからってすごい安値とか、無料とかで描いたものを提供するか…ってのは、全く別の話だ。

 

私が一番「こうだといいな」と感じる立場は、

「注文に追われないけれど、できたものは、そこそこ取引材料になる」

という、実に身勝手なポジションである。

 

 

やりたいことは、ある。

今までやってないことで、ちょっと大きい動きに繋がる気配がある…みたいなことも、出て来ている。

それを掴むために、努力を惜しむ気は無い。

 

だけど、じゃあ、果たして「狙ったポジションを獲得するため」に動く…それができるか?

いや…なんか、そういうと、違うな…って、感じる。

 

 

もしかしたら私が掴んでいたかも知れない、あるポジションがあって。

それは、今はもう他人が獲得していて。

私には、それを奪取するようなことは、とても無理で。

だけど、そのポジションではない、別の少しズラした立場であれば、もしかしたら今からでも自分の場所として、なし得るかも知れない。

 

そんな「皮算用」が、あるとして。

 

じゃあ、それを「ゲットしに、狙って行く」のか…と。

 

いやぁ、無理だな。

 

「狙ってくる人には敵わないよ」

うん、その通り。

勝てないだろうね、狙ってきた人とガチあったら。

 

でも…勝ちたいのか?と、問いかければ。

「いやあ、別に」

と、それが、正直な自分の思いだ。

 

 

もう、どうだっていいんだよ。

誰かと勝負して、一つしか無い椅子を取るか取られるか…みたいな話は。

 

私の手の中には、けっこういろんなカードがすでにある。

勝ちにいくためにどう切るか…という考え方ではなく。

これらを使ったら、どういう役が作れそうか…ってのを、その時その時配られるカードとの兼ね合いで、次々変えていくってのが、楽じゃん。

 

「狙って行く」のは、「楽しくないけど、他の選択肢は存在しない」私の絵描き道を、より、苦しいものにしかしない。

それだけは、今はっきり、わかる。

 

 

そんな悠長なこと…そんな呑気なこと…そんな、ぬるいこと。

言ってるんじゃ、狙ったものは得られないよ。

…って。

だからさ。

狙うってことが、もう、無理なの。

 

 

何にもならなくていいんだよ。

 

もちろん、収入になれば有り難いけど。

もちろん、それを完全に度外視できるほどの余裕はないから、丸っと無視とかは、できないけど。

 

かといって、今ですら「楽しくない」ところの比重が大きい、この道。

これ以上、苦痛を増やして、どうする。

 

 

やめない約束をしたから…だから選択肢がない。

そういうことじゃ、ないんだ。

 

あの約束があっても、なくても。

他の選択肢は、ない。

 

まあ、理解されなくてもしょうがない。

 

ごく希に、少しは通じる感覚を持ち合わせている人とすれ違うことがある。

それだけでも、十分な、暁光だ。

 

 

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いつか見た空

 

 

 


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