旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

かつて私がしていた「筋違いの要求」のお話

以前、時々面談しに行っていた場所がある。

そこは、名古屋の一等地に立つ、高級マンションの一室。

神おろしをされる方が設けた「道場」的な場所だった。

 

時々といっても…考えてみたら、面談自体は3回だったかな。

他に、勉強会と銘打たれたお話会のようなものに2、3回参加したことがある。

それでも、私にしてみれば多く行った場所だ。

 

 

そこで面談してもらってた人に、前に使っていた名前をつける手引きをしてもらった。

そして、神絵の基本価格の設定も、決めてもらった。

外国のアーティストさんの作品を販売する事業に関わっていたりもする方で、出し方の基準も納得いくものだったため、今でもその時の「ここから下げるの厳禁」ラインは守っている。

 

しかし。

もともと、それを目的で通ったのではなかった。

そういう、いくつかの事柄を決めることになったのは、結果から言うと「偶然」だ。

 

私は、その方と、雑談するために1時間を予約して相談料払ったのだ。

そうしないと、サシで話すという機会を得ることが難しい人だったから。

当時は、本当に予約が取れない方だったそうだ。

私はなぜか、いつも、電話も一回で繋がり、その時々にすぐ、直近で予約が取れていたので。

半年待たないと会えないとか、他の人が言っているのを聞いても、ピンとこなかった。

(まあ…その理由は、薄々はわかるけれど…)

 

そして、雑談している時に、ひょいっと出て来た話で、その場ですぐに「じゃあ今から名前つけよう」ということになったり。

結果として、重要な話が雑談から出て来て、相談料はちゃんと、見合った投資に変わった。

 

 

その方に、「たっかい雑談料、払うてるなあ」と、笑われた。

「けどまあ、雑談ちゅーのが一番、大事でもあるけどな」

そう、その通りだと私も思う。

だから、なけなしの1万円札白封筒に入れて、特にテーマも決めずに、サシでの1時間をもらってた。

 

 

私は、神おろしをしてもらいに行ってたのではない。

下ろす人そのものと、話がしたかった。

中に誰かに入られたら、むしろ、カンベンして。

人間である、その方と、話がしたかったのだから。

その方は、その欲求をよく理解してくださったので、話が楽しかった。

降りて来ちゃってる時も入り混じってはいたけれど、基本的には、ご自身として会話してくださった。

だから、すごく面白い時間だった。

組織化の方向に進まれ始めて、そういう動きには全く興味ない私は疎遠になったけど。

今でも時々、どうされてるかな、と思うことがある。

 

 

そんな風に、相談料を使うってことが、よくある。

コネクションをとる側の人間、それ自体に興味があり、自分に対しての何らかの示唆をもらうことではない。

 

けれど、一定の率で、それを全く理解できないらしい人と、出会う。

 

「人間としてのあなた自身と、話がしたいんです」

という私の欲求が、全く、伝わらない人。

神でもなんでもいいけども、他のものを入れる前の、器としてのあなたの話が聞きたい。

 

だけど、友達でもない人とサシで話したいとき、そもそもその人が多忙で時間の確保が困難な場合。

他に、どういう手段があるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在は、この課題には自分の答えは、出ている状態だ。

なので、この記事で、その答えを求めてるわけではない。

 

今は、私の要求は、いささか筋違いなものだ…ということを、自分なりに理解している。

それが理解できてきた頃から、この欲求そのものが、格段に減少した。

 

じゃあなんで書いてるんだ?って

 

…さあ…

 

なんとなく。

 

 

 

 

 


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