絵描きとは、最もエゴイスティックな人種である
絵描きさんと話をするのは、すごく、楽しい。
絵描き同士でも、感性が全く噛み合わない人もいるので、そういう時はストレス度高いけど。
噛み合う時は、ホント、楽しい。
別のジャンルの人との話とは違った楽しさがある。
その上、ビミョーな感覚の接点が増えれば、更に、楽しくなる。
たとえば、スピリチュアルな方面への考え方や、感覚の取り方など。
なかなか言語化の難しい微妙なところに入ってくると、単語のニュアンスなども個人差があるので…ヘタをすると、全然あさっての方向にお互い想像しながら話す…っていうことに、なりかねない。
そういう時は、だいたい、えもいわれぬ気持ち悪さがあるので、「ああ、なんか違う」っていうことだけは、わかる。
絵を描く、って、一口に言っても、やり方も目的も、描いた後どうするかも、千差万別だ。
さらに、見えないものとの接し方の感性なんか、もう、ほんとに…。
私は絵の世界に戻ってきてから、接点があった人がスピリチュアル世界の住人が多かった。
なので、友人や絵描き仲間も、そっち系の人が多かった。
ある時、スピ繋がり+アート繋がりが重なってた人から、
「芸術は全て、感情の発露だ」
と、断言されたことがあった。
いや~、そうでもないと思うけど、と反論してみたけども、その人は受け入れなかった。
感情の発露であるということを、私が認めないだけだ、と言ってた。
彼女は、私の絵から私の感情を読み取る…と言ってた。
ああ、そうですか…としか、言いようがない。
だって。
その人が「読み取った」という「私の感情」は、全然、マトハズレだったから。
けれど、それを言ってみたところで、その人は「あなた本人が気づいていないだけだ」と、言い張って譲らない。
自分に都合の悪い感情だから、認めたくないだけなのだ…みたいなことも、さんざん、言ってた。
でも残念ながら…。
私の絵は、自分の感情や未消化の何かを「こめる」とか「ぶつける」とかするためのものじゃないので。
そういう制限をかけている…とか、そんな話ではなく。
もとから、そういう描き方をしない人間なので。
感情整理のために描くってことも、やったことはある。
それが有効かどうかを試したくて。
確かに一定の効果はあったけど…爆発的作用があったとまではいかなかったし。
流儀が違う。
学生時代に、国語の授業で、作者の意図などを云々しテストに出すっていうことのバカバカしさを感じたものだけど。
その時は、それに似た感覚だった。
私だって、人様の作品から、その人の状態や感情などを「感じたと自分が感じる」ことは、ある。
あるけど。
それが「作者の真実」だとかは、間違っても、思わない。
そんなの、あくまでも、私の中にひろがった私自身の妄想でしかない。
もちろん、描いたものには、「その時の自分」は、如実に出る。
それは、ウソをついて欺けるようなものではなくて、本当に、出る。
見た人がどう解釈するかっていうのと、本人がどう感じるかっていうのは、また別の話ではあるけども。
本人が「こうだ」と言うものを、他人がその人流の解釈を当人におしつけて譲らない…というのも、なんだか奇妙な話だと思う。
その人の中の何かを刺激するものが、その時の私の絵…または私自身の言動に、あったのだろう。
というか、実際、言葉のやり取りの中で生まれた摩擦が大きくなってた時だったので。
かえって私には、その人が私に対して抱いた悪感情を、絵を見て自ら増幅しているように感じられた。
結局は、見たものを鏡にして、自分を投影しているにすぎない。
見る人がどう感じるか。
それが、全てだ。
私は、描いた後のことは、そういう風に思っている。
だから、その人にとって、「その絵には描き手の○○感情がぶつけられている」と感じるならば、その人にとってその絵は○○感情を表す絵だ、ということだ。
自分の中の○○感情と受け取らず、描いた者のそれだとして譲らないのであれば、それがその人にとっての事実だ。
そんな現象は、他でも誰にでも、いくらでも起きることで。
私はもう、いちいちそれを訂正するつもりなんて、ない。
私は、描くしかないように描くだけだ。
その時の相手の方のように、自分の意識下に支配した状態で描くのとも違うので、イヤでも何でも、描けるように描くしかない。
誰がどう受け取ろうと、描き手の私にとっての事実は、それしかない。
ともかくね。
絵描きっていうのは、最もエゴイスティックな人種ですよ。
やったらやりっぱなし。
投げたら投げっぱなし。
描き終わったら、終わりなの。
自己中に「おまえは自己中だ!」って言ったところで「うん。だから何?」というだけのことなんで。
痛いところを突いた気になってドヤ顔されても、困るから。
そうじゃないっていう絵描きさんもいるかも知れないけど。
ごめん、私はそれは、信じない。
スピ業界のふわふわキラキラしたところで、ふわふわキラキラしたナンかを「アート」って呼んでいる人達には、もしかしたら「最もエゴイスティックな人種」という定義は当てはまらないのかも知れません。
なぜなら、その人達は「絵描き」とは少し違うから。
…ここまで書いたけど、話をどこに落とすか、見失った。
まあ、よくあること。
せっかく書いたので、無意味にUPしてみる。
推敲とか、いつもしないので。
そろそろその習慣は改善した方がいいかな、と思いつつ…
今後もしないだろうな、多分(笑)
禍津日神
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