旧<緋呂の異界絵師通信>

2018.05 本拠地を新天地へ移しました

円空・木喰展 特に木喰仏に思うこと

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観音様の陶器用原型を作りました。

まだ、お見せできないので、上の画像も一部分だけを加工してます。

 

これからは、仏様も積極的に作ります…と、先日記事にも書きました。

 

art-hiro-b.hatenablog.jp

 

作ってみて、私の仏様は雅で精緻なものではなく、彫りを単純化した感じ…円空や木喰のような感じだな、と、思っていた。

 

そうは言っても、特にこの二人の仏像が好きなわけではない。

円空よりは木喰だな、とは思う。

けど…どちらも、正直、そんなに好きではない…んだよね…。

好きなのは、やっぱり、精緻に彫られたものだ。

顔の表情とか、衣のヒダとか…。

でも、どうやら私の手から出てくる仏様は、その方向ではない。

それは、4月から陶芸品を作っていて、思っていたことだった。

今回、原型を二つ作ってみて、やっぱりそうだな、と実感したってところ。

 

…と、思った矢先。

 

なぜか、名古屋で今、円空・木喰展なるものが開催されているって、知人がFacebookに写真をUPしていたのを見て、知った。

そんなに好きじゃない、というとおり、今までじっくりとホンモノを拝見したことはない。

参詣したお寺に所蔵品があったので、1、2体は拝見しているけども。

 

なんで今?

それも、会期が終わる直前の情報?

6月からやってたってのに。

(でも、その頃知っても行く気なかっただろうけど)

 

もう、これ、絶対に、行けっていうことだよね…と、今日、陶芸倶楽部に行く前に寄って来たわけだよ。

 

 

チケット&図録。そして、つい買ってしまった写仏セット(笑)

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この展覧会。

見た方がいいのか、やめた方がいいのか…正直、行く前は迷った。

 

木喰仏みたいな感じになるかな、と思う自分の「仏様の造形」は、まだ、本当に手から出てきてない。

次は不動明王

今このタイミングでホンモノを見たら、影響が出る。

絶対に。

逃れることはできない。

 

 

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観音様と同時進行で作った龍の原型(一部。これも、まだ見せられない)

こういう感じとか。

木喰仏にある彫りに、雰囲気は似てる。

不動明王の光背…背負った炎の造形などは、私もこういう彫りを使う。

他に考えられない。

https://instagram.com/p/2u8AxvJicI/

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これを作ってる時、すでに、不動明王の光背をイメージしていたわけだし。

今、ホンモノの木喰不動を見るってことは、この後、ものすごいハードルになる。

 

 

でも…似ているものは、見ても見なくても似ている。

 

駐車場を探しながら、それでも、まだ、迷った。

 

結局、行ったのだけど。

 

 

明日までということで、混んでいた。

行ってきて、引き返さなくてよかった、と思った。

観客のおじいちゃんおばあちゃん方の多くが、一体一体の前で手を合わせて、頭を下げている姿を見て、そう思った。

 

劣化亜流のようになっても、いいじゃん。

それが、今の自分のめいっぱいの力なら。

 

もとから似ている要素を持つなら、見なくたって似る。

自分の造形にかげりが出ることを恐れて、見ることから逃げてみたって。

手から出てきたものが実際に似ていれば、結局は、関係ない話。

 

 

 

木喰という方は、61歳で像を彫りはじめ、91まで彫り続けたそうな。

「願」のために。

91歳の、これが絶筆となったという巨大な掛け軸「阿弥陀如来図」を見て、なんだか、すごく、可笑しくなってしまった。

私がよく知っている、お世話になっている、すごく尊敬している人の描く仏の絵に、かなり似た風貌だったので。

しかも、木喰の仏様には、その人の顔を連想させる像が、いくつもあるし。

 

なーんだ。

そうか。

似ているのは、むしろ、そっちか(笑)

 

こりゃ、もう、仕方ない(笑)

 

 

開き直って、私は私の仏様を、作るのみ。

 

 

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